2020-01-01から1年間の記事一覧
7月に米線を食べた。 どうしても、食べたくなって、また行ってきた。 毎日、米線食べたい、米線食べたいと思ってゐたのだけれど、すごい出不精で、電車に乗るのがめんどうなものだから、5カ月もあいだがあいてしまった。 寒くなって、もう我慢できなくなっ…
新型コロナウイルス流行の第3波がきたらしい。第1波は3月~4月だった。第2波は7~8月だった。第3波は11~12月という感じになるのだろうか。とすると現在の対策では4カ月ごとに波がくるので、来年の夏は第5波ということになるがオリンピックは…
「日本語はいかにつくられたか?」小池清治 ちくま学芸文庫 1995 面白かった~。簡単にメモをば。 1 万葉仮名から草仮名が生れ、そこから質的転換を経て平仮名が生れた。この「平仮名」化の動きは905年に成立した古今和歌集で一応の完成を見る。古今…
「14歳からの社会学」宮台真司 世界文化社 2008 とてもよかった。大人でも読む価値がある。ぼくのように未熟な大人はとくに 中学生に語るという趣意のものだからか、宮台さんの声がすぐそこから聞こえてくるような気がした。年少の友達にプレゼントし…
書きたいけど書けないというのはいったいなんなんだろうか。いま、仮名遣いについての文章を書いてゐるのだけれど、机に向かうのが苦痛でしかたがない。頭のなかには書きたいものがフンダンにあるのだけれど、それをきれいに順番に出していくことができない…
「武器としての『資本論』」白井聡 東洋経済新報社 2020 面白かった。すごく勉強になった。何度も「マルクス天才やな」とつぶやいた。 白井聡さん、これくらい温厚な万人受けする文体で「永続敗戦論」「国体論」のような本を書いてほしいなと思ったりし…
「岡倉天心『茶の本』を読む」若松英輔 岩波現代文庫 2013 すごく感動した。遠くない未来に、もう一度読み返したい。そうしてここで紹介されてゐる人達、霊性の探求者達の書いたものを読みたい。まさにいま、ぼくはこの本を読まねばならないんだ、そのよ…
「新版 動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか」福岡伸一 新版を買ってよかった。追加された終章では動的平衡の数理的な概念モデル「ベルグソンの弧」が提出される。その記述が実に感動的だ。 福岡氏は生命を「動的平衡にあるもの」と定義する。 生命、自然、環…
「リズムの本質について」ルートヴィッヒ・クラーゲス うぶすな書院 2011 原著は1933年に刊行。リズムを拍子(タクト)と対立的に論じることで、その本質を浮かび上がらせる。 われわれの考察は振り子時計の拍子(タクト)を打ちながらの歩みの現象…
「イスラーム哲学の原像」井筒俊彦 岩波新書 1980 イスラームの根源的思惟形態であるイブン・アラビー系の「存在一性論」について論じる。「序」によれば、存在一性論とは、 『観想によって開けてくる意識の形而上学的次元において、存在を究極的一者と…
「インド哲学10講」赤松明彦 2018 岩波新書 急に秋が深まったようだ。寒い、暗い、おまけに雨が降ってゐる。優れた書物を読んでも、寒い、暗い、おまけに雨が降ってゐるとなれば、ぼくは気鬱だ。アパートの壁が薄く華奢な構造だからこんなに冷えるので…
夏目漱石の「道草」は主人公の、 「世の中に片付くなんてものは殆どありやしない。一遍起つた事は何時までも続くのさ。ただ色々な形に変わるから人にも自分にも解らなくなるだけの事さ」 という印象的なセリフで終わる。 「道草」の前に書かれた「ガラス戸の…
「方舟さくら丸」安部公房 新潮文庫 1990(原著は1984年) 安倍公房の作品を読むのは「砂の女」と、これが二作目。面白かった~ 「人間は本当に自由を求めてゐるのか」「われわれはいつも閉じ込められてゐるのではないか」というモチーフが浮かび上…
「はじめてのインド哲学」立川武蔵 講談社現代新書 1992 入門書だけれどけっこう歯ごたえのある本だった。途中でわからなくなることが多々あり、何度も頁を戻りながら読み進めた。これからインド思想・哲学を読んでいくにあたってのいい準備運動あるいは…
「イスラーム文化 その根底にあるもの」 井筒俊彦 岩波文庫 1991(原著:1981) 名著すぎる。学問てほんとスゴイなと思う。 こういう本を読んでゐるときが一番幸せ。最高の時間だった。 「ひとつの文化構造体としてのイスラームの最も特徴的と考えら…
四連休に奈良に帰省。男達3人で上北山村へ小旅行。 上北山村には友人夫妻が住んでゐて、一緒に庭でバーベキューをした。アユ、アマゴ、鹿の肉など土地の名産品をおいしくいただいた。鹿の肉は初めて。少しの臭みもなく、厚みのあるタンのような味がしてけっ…
夏目漱石の「明暗」に続いて、水村美苗の「続 明暗」を読みなおしてみた。初見時には見事な文体の模写、伏線の回収、痛快に面白い展開といった数々の長所に感嘆とするばかりで「これは最高だ!」と思ったものだったけれど、再読してみると自分の中の評価が正…
寝違えか、ストレッチのしすぎか、ダンス練習でのムチウチ的なものか、よくわからない理由で首を痛めてゐた。もともとひどい頭痛持ちでしょっちゅう寝込んでしまう虚弱体質だから肩から頭にかけての筋肉が緊張してゐる状態には慣れてゐる。けれど今回のは程…
「インドの細密画を訪ねて 上下」浅原昌明 新風舎2006 すごい労作。著者の浅原昌明という方、略歴によれば会社員としてインドに赴任してゐたときに細密画に魅了され、働きながら研究を続けたとのこと。それがこの大著につながったのだからすごいですね。…
夏目漱石「明暗」の何度目かの通読を終えたので、いまの気持ちを書いておきたい。最高にいい気分だ。たぶん、四度目か五度目かになるのだけど、今回が一番よかったかもしれない。「自然/天」が「人間/私」を動かしていく、その様を堪能した。 ぼくはこの小…
寝転がって佐々木敦さんの「未知との遭遇 完全版」という本を読んでゐたら突然ひらめいたことがあったのでメモしておく。 「ひらめいたこと」というのは、カタックのヌリッタ(抽象舞踊)において、観客に先にボールを聞かせることの意味、というか効果につ…
「ニッポンの思想」佐々木敦 講談社現代新書 2009 80年代からゼロ年代までの「ニッポンの思想」を概説する。 スーパー面白かった。新書にしては厚いけれど一気読み。こういう本を書いてくださって多謝多謝。ぜひテン年代の以降の「思想」についても書…
昨日、安倍晋三首相が辞意を表明した。 「病気と治療を抱え、体力が万全でないという苦痛の中、大切な政治判断を誤ること、結果を出せないことがあってはなりません。国民の皆様の負託に自信を持って応えられる状態でなくなった以上、総理大臣の地位にあり続…
「インド美術史」宮治昭 2009 吉川弘文館 前にも書いたけれど、最近ひろい読みとか飛ばし読みができるようになって嬉しく思ってゐる。通読しないことへの抵抗がなくなり、平気な気持ちでページをすっとばすことができるようになった。 この本も通読はむ…
「朝鮮半島と日本の未来」姜尚中 集英社新書 2020 半島両国への差別的かつ攻撃的な物言いがあふれかえる現在の日本の言説空間において、姜尚中氏の語り口の穏和と誠実は稀有のものだ。この稀有はどこからくるのか。 氏は「はじめに」において、朝鮮戦争…
「コロナ後の世界を生きる」村上陽一郎 編 岩波新書 2020 24名の小論を収める。拾い読み。 科学史の大家である村上陽一郎氏は1936年生まれ。Wikipediaによると9月が誕生日で84歳になる。この年齢でこういう瞬発力を要する仕事をするのはすごい…
「ジプシー 歴史・社会・文化」水谷驍 2006 平凡社新書 カタックはフラメンコの起源である、あるいは、二つは共通の祖先をもつ、という説がある。☟のような動画を見ると実際よく似てゐる。 インドのジプシーがカタックの原型をつくった、あるいはカタッ…
「透明人間」2020 米・豪合作 監督:リー・ワネル 出演:エリザベス・モス、オリヴァー・ジャクソン=コーエン 他 最高でした。最高すぎです。 はじめの一時間くらいはもうあんまり怖いので全身硬直させまくりで、来るんぢゃなかった~とか思ってたので…
「未来への大分岐ー資本主義の終わりか、人間の終焉かー」集英社新書 2019 著:マルクス・ガブリエル、マイケル・ハート、ポール・メイソン、斎藤幸平 たいへん勉強になりました。 斎藤幸平さん、お若いのにすごい学殖。そして、ヒューマニズムへの深い…
今日の稽古はとても楽しかった。 左足の踏み込みに関していい感触をつかんだ。やはり毎回なにがしかの挑戦があり、発見があり、成長がある、というのがのぞましい。 それはとても楽しいことだ。 「稽古は愉快を以て旨とすべし」という言葉はけっこう昔に内田…