2023-09-01から1ヶ月間の記事一覧
「観光客の哲学 増補版」東浩紀 ゲンロン 2023 「観光客の哲学」に犬の話が出てくる。 家族という言葉は、いまの日本ではじつは、ここまで見てきた意味よりもさらに柔軟に使われている。というのは、最近では、犬や猫のようなペットも「家族」と見なされ…
いよいよインボイス制度が導入される。わたしは昨年職業訓練学校に通って簿記2級を取得し、現在某流通関係の中小企業で派遣社員として就業中の駆け出し経理マンである。駆け出しなのでたいした仕事はしてゐないが、インボイス制度のためにあれこれ事務処理…
「仁斎・徂徠・宣長」吉川幸次郎 岩波書店 1975 伊藤仁斎と荻生徂徠と本居宣長についての論文を集めたもの。宣長に関する二篇は「本居宣長」で既読であったため読まなかった。いや再読したい気持ちはあったが時間がなくて読めなかった。 江戸川区の図書…
「天皇とアメリカ」吉見俊哉、テッサ・モーリス-スズキ 集英社新書 2010 頭がぼんやりしてゐる。頭がぼんやりしてゐるのは昨夜寝つけなくて1時くらいに睡眠導入剤を飲んだからである。わたしはちょっと睡眠時間が足りないと活動できなくなり抑鬱的な気…
「13歳からの天皇制」堀新 かもがわ出版 2020 憲法における天皇の位置付け 大日本帝国憲法の1条に「大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス」とある。その根拠は神話である。 告文に「皇宗ノ神霊ニ誥ケ白サク皇朕レ天壌無窮ノ宏謨ニ循ヒ惟神ノ宝祚ヲ承…
クリシュナ・ジャンマシュタミ(Krishna Janmashtami) 前回はナーティヤ・シャーストラ(Natya Shastra)&アビナヤ・ダルパナ(Abhinaya Darpana)ノートだった。そちらも全然終わらぬ段階でとりあえずこの記事をアップしてしまうのは、今日がクリシュナの…
「日本とドイツ 二つの戦後思想」仲正昌樹 光文社新書 2005 戦争責任をめぐる議論に関して、ドイツのヤスパースが提示した罪の概念が面白い。 ヤスパースは各人が負っている可能性のある「罪」の内容をはっきりさせるために、①刑法上の罪、②政治上の罪、…
もっとも典型的な陰謀論の語り口に「○○は死んでゐる/生きてゐる」というのがある。キム・ジョンウンは死んでゐるとか、マイケル・ジャクソンは生きてゐるとかいうもの。生を否認することで死を捏造し、逆に死を否認することで生を捏造する。否認することに…