手探り、手作り

樂しみ亦た其の中に在り

2023-08-01から1ヶ月間の記事一覧

なり

昨日のレッスンは生徒さんがわたし含めて5人しかゐなかった。はじまった時なんかふたりだった。そういうときもある。わたしはこの二年、週二回のレッスンを一度も休んだことがない。ヌータン先生が休みで他の方が代行するとき欠席者があからさまに増えるの…

ナーティヤ・シャーストラ(Natya Shastra)&アビナヤ・ダルパナ(Abhinaya Darpana)ノートBharatarnava

ナーティヤ・シャーストラ(Natya Shastra) アビナヤ・ダルパナ(Abhinaya Darpana) 前回はナティヤ・クラマ(Natya Krama)ノートだった。ナティヤ・クラマとはアビナヤ・ダルパナ(Abhinaya Darpana)というインド舞踊の理論書に出てくる有名なシュロー…

「バーン・アフター・リーディング」

「バーン・アフター・リーディング」2008 アメリカ 監督:イーサン・コーエン、ジョエル・コーエン 出演:ジョン・マルコヴィッチ、ティルダ・スウィントン、ジョージ・クルーニー、エリザベス・マーヴェル、フランシス・マクドーマンド、ブラッド・ピッ…

「代替え」の勢力拡大について

みずほ銀行からのはがきに「代替え方法」と書いてあった。代替(だいたい)を代替え(だいがえ)と読む/書くことがあるのは知ってゐたが、銀行からの案内というきちんとした場面で出くわしたので驚いた。代替(だいたい)は代替え(だいがえ)に駆逐されつ…

前提ぬきで、いきなりアンティテーゼの中にのめりこんで行く。

さきほど「失敗の本質 日本軍の組織論的研究」の読書ノートを書いた。日本は外国から取り入れた概念を十分に咀嚼し、その上で新しい概念を生み出す努力を怠ったと書いてあった。その箇所を筆写しながら、福田恆存の「私の國語教室」を思い出してゐた。 「私…

「失敗の本質 日本軍の組織論的研究」

「失敗の本質 日本軍の組織論的研究」中公文庫 1991 著:戸部良一、寺本義也、鎌田伸一、杉之尾孝生、村井友秀、野中郁次郎 聞きしに勝る名著だった。三月に(遠い昔のことのようだ!)「日本人の規律について」という文章を書いた。日本人は超越的次元…

「世阿弥 風姿花伝(100分de名著)」土屋惠一郎

「世阿弥 風姿花伝(100分de名著)」土屋惠一郎 NHK出版 2015 こないだ「ナティヤ・クラマ(Natya Krama)ノート」の中で日本には世阿弥の風姿花伝があるという文句を書いておきながら、実は読んだことがなかった。読もうと思った。しかし現代語訳で…

王と姫と関西のおばちゃん

王 ダンスクラスにラジャさんというひとがゐる。ラジャさんは日本が好きで日本語が上手で、ときどきメールの遣り取りをする仲だ。ヌータン先生はラジャさんを呼ぶとき「ヘイ、ラジャ」と言う。名前がラジャさんだから当たり前だ。 それは分かるのだが、ラジ…

ナティヤ・クラマ(Natya Krama)ノート

先日「トゥムリ(Thumri)ノート」という記事を書いた。気楽に書くことが出来ていい具合だと思った。この方法でたくさんちいさな記事を書き溜めて、それをまとめるかたちで長めの文章を書けばよい。 いま頭には三つある。一、インド舞踊およびカタックの全体…

敗戦と独立

昨日8月15日は敗戦の日。 夜遅くにダンスレッスンだから夕飯は軽めに済ませた。そしたら先生から、今日は休みにします、「Happy Independence Day to everyone!」とメッセージが届いた。そうかインドは独立記念日なのか。 日本の敗戦日がインドの独立記念…

「街とその不確かな壁」村上春樹

「街とその不確かな壁」村上春樹 2023 新潮社 やっと村上春樹の新作が読めた。いやあ、どうしよう、つまらなかった。時間が経つと印象が変わるかもしれないけれど、読み終えた直後の感想を書くと、これまででいちばん退屈な長篇だった。いや違う。退屈と…

「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE」

「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE」2023 アメリカ 監督:クリストファー・マッカリー 出演:トム・クルーズ、サイモン・ペッグ、レベッカ・ファーガソン、 ヴィング・レイムス、ヴァネッサ・カービー ほか www.youtube.com 昨年…

「カールじいさんの空飛ぶ家」

「カールじいさんの空飛ぶ家」2009 アメリカ 監督:ピート・ドクター www.youtube.com 帰省中に実家のハードディスクに録画してあったのを見た。感激した。素晴らしい作品だ。「老い」が主題。冒頭「いつかやろう」を先延ばしにしてゐるうちに老人になっ…

「日本近現代史講義」山内昌之/細谷雄一 編著

「日本近現代史講義」山内昌之/細谷雄一 編著 8月14日。大型の颱風が近づいてゐる。明日近畿に上陸。新幹線一部運休決定。東京はまだ晴れてゐる。午後から雨らしいが犬のシャンプーを予約してゐる。豪雨でなければなんとかなるだろう。シャンプーのあいだ…

オレも料理が出来る、という実感

リュウジのバズレシピに出会ってから料理が楽しくなった。オレも料理が出来る、という実感を初めて得た。それまでも料理はしてゐた。毎日、ほとんど自炊してきた。けれども「いま料理をしてゐるな」という意識も、「自分は料理が出来る人間だ」という自覚も…

「サピエンス全史」ユヴァル・ノア・ハラリ

「サピエンス全史」ユヴァル・ノア・ハラリ 河出書房新社 2016年 歴史を研究するのは、未来を知るためではなく、視野を拡げ、現在の私たちの状況は自然なものでも必然的なものでもなく、したがって私たちの前には、想像しているよりずっと多くの可能性が…