手探り、手作り

樂しみ亦た其の中に在り

グル‐シシャ・パランパラ(Guru-Shisya Parampara / गुरु-शिष्य परम्परा)

インド舞踊における師弟関係、技藝の伝達方式をグル‐シシャ・パランパラ(Guru-Shisya Parampara / गुरु-शिष्य परम्परा)という。グル(Guru)は師匠、シシャ(Shisya)は弟子、パランパラ(Parampara)は伝統とか継承という意味だ。

ヌータン先生の教室の綱領の第一にいう。

Avartan School of Kathak teaches only pure classical Kathak. Our motive is to spread the Hindustani classical culture in a professional manner. Great importance is given to the Guru-Shisya Parampara and that is why a good quality of education is maintained. We also provide online classes for those who are not in Mumbai.

アバルタン=カタック舞踊教室は純粋な古典カタックのみを教える。目的は北インドの伝統文化を高度な専門性において伝えることである。グル‐シシャ・パランパラを重んじ、それにより良質な教育水準を維持する。本校はまたムンバイに居住しない生徒のためにオンライン授業を提供する。

ここに明らかなようにオンライン授業というのは本来的な意味でのグル‐シシャ・パランパラの埒外にあるものである。しかしそれを否定してゐない。時代は変わる。伝統も変わる。YouTube に多くのレッスン動画を上げるパリ・チャンドラ(Pali Chandra)氏も伝統の重要性を認めたうえで、またその変化、すなわち現代的テクノロジーのメリットを述べる。「あなたの速度で、あなたの場所で、学ぶことができる」と。

www.youtube.com

以下、ラチナ・ラムヤ氏の「カタックー語り部たちのダンスー」から翻訳する。

グル‐シシャ・パランパラ(継承)は師弟間の神聖な関係をともなう。伝達される知識の精妙さを理解し咀嚼し吸収するために、グル(師匠)とシシャ(弟子)は親密な学びの「場」をつくらねばならない。敬虔、尊崇、信頼、積極性に充ちた空気から力を得るこの「場」において、最大の専心とともに、聖なる知識が師から弟子へと伝達される。

グルはただ先生であるだけでなく、智慧と真理と知識の顕現そのものでもある。弟子は彼ら自身が次の世代に正しく伝承するために、完全な崇拝をもってグルから渡された知識を受け取らねばならない。高度な知識と洞察の次世代への継承を保証するために、この方法がもっとも効果的とされてきた。師と弟子の関係は世俗的な位相にとどまるものではなく、様式化された儀式によって確立される、霊的な位相にも及ぶ。

いまひとつの明白な特徴として、口承ということが挙げられる。知識は書かれたものではなく、語られた言葉によって伝達される。口伝えという方法は、生徒の意識に緊張を与える。そのことが注意と集中と思考の強度を高めるのである。また書かれたものから学ぶことによる誤解を防ぐという面もある。秘儀と呼ばれるもの、哲学、霊性、藝術に関しては、書かれたものはただの「こと」に過ぎず、生きられた知識を学ぶものに伝えることが出来ないからだ。 241-242頁