2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧
「NHK「100分de名著」ブックス パスカル パンセ」鹿島茂 NHK出版 2013 大学生やビジネスパーソンや退職した団塊世代の人といった身近な人達が「パンセ」に出会うという趣向がとっても楽しくて愉快。一気に読んでしまった。みたらし団子をほおばり、熱…
「エマニュエル・トッドで読み解く世界史の深層」鹿島茂 KKベストセラーズ 2017 出生力転換と識字率 人類は長い間、たくさん子供を産みその子供がたくさん死ぬという多産多死型社会だったが、18世紀半ば頃から少なく産んだ子供を死なないように育てると…
『危機の神学 「無関心というパンデミック」を超えて』 若松英輔 山本芳久 文春新書 2021 「すでに」と「まだ」の緊張関係 ローマ帝国において当初迫害されてゐたキリスト教が徐々に拡がり、やがて国教化されるに至った、その背景には疫病との関係があっ…
「太平洋戦争への道 1931-1941」 半藤一利、加藤陽子、保阪正康 NHK出版 2021 第一章 関東軍の暴走 第二章 国際協調の放棄 第三章 言論・思想の統制 第四章 中国侵攻の拡大 第五章 三国同盟の締結 第六章 日米交渉の失敗 第一章 関東軍の暴…
「NHK100分de名著 西田幾多郎『善の研究』」若松英輔 NHK出版 2019 「善の研究」は図書館や古本屋でパラパラめくったことがあるだけで、まだ挑戦したことはない。本書を読んで、きっといつか読もうと思った。「絶対矛盾的自己同一」なんていう鍵語だ…
「セックスレス亡国論」鹿島茂 朝日新書 2009 お稚児趣味 日本は伝統的にセックス自由の国であるが、戦国から江戸にかけて、武士階級が禁欲的な性道徳をもってゐた。外で戦ってゐるときに奥さんに好き勝手セックスされてしまったら困るからだ。「節婦は…
「進みながら強くなるーー欲望道徳論」鹿島茂 集英社新書 2015 エマニュエル・トッドの家族人類学によれば、日本は直系家族類型に属する。子供が成長して生計を立てられるようになっても、親はそのうち一人の子供と同居する。その子供に子供ができても同…
仕事をお休みしてゐるのでのんびりした時間を過してゐる。長い正月を味わうことができた。散歩したり、本を読んだり、映画を見たり、家事をしたり、そういう生活のあれこれを、意識してゆっくり行ってゐる。いいものだ。 チャコはリードを外しても勝手に逃げ…
「理不尽な進化 増補新版」吉川博満 2021 ちくま文庫 凄い本だった。章が進むごとにどんどん面白くなってゆく。特にドーキンスとグールドの論争にはグっときた。絶対に読まねば、と思うのはドーキンスの方だけれど、親近感をもつのはグールドのほうかな…
インドではオミクロン株がかなり拡がってゐるらしい。ヌータン先生の教室は昨年の11月に一年半ぶりにオフラインでのレッスンを再開した。レッスンはオフラインとオンラインを同時に行うかたちとなった。それがオミクロン株の感染拡大が深刻だということで…
「ムガル帝国とアクバル帝」石田保昭 清水書院 2019 中世は人の命が軽かったんだなあと思った。皇帝はいかにも簡単に人民を殺す。女性の抑圧のされ方もひどいものだ。まるでなんにも感じてゐない。中世の残虐さに比べると、このコロナ禍において、とにか…
「コーラン(上)(中)(下)」井筒俊彦 訳 岩波文庫 昨年一年かけてゆっくりと井筒俊彦訳の「コーラン」を通読した。こんなすごいものを一人の人間が創作できるとは思えないので、やはり神の啓示なんだと思う。ぼくはイスラーム教に対して、どういう言葉を…
「マトリックス レザレクションズ」2021 アメリカ 監督:ラナ・ウォシャウスキー 出演:キアヌ・リーヴス、キャリー=アン・モス www.youtube.com 帰省中、奈良の友人達と4人で鑑賞。みな高校の同級生。中学生のときに一作目が大ヒットし、高校生のとき…
年末年始は帰省して実家の奈良で過した。一日だけだけれど姉一家の帰省日程ともかぶり、姪っ子ちゃん二人に会うこともできた。両親も元気そうだ。94歳の祖母は体が思うように動かず、しんどい、もうあかんわ、と言う。夫は先に逝き、同年代の友達も少なく…