手探り、手作り🐲

樂しみ亦た其の中に在り🌴

ブログの全体像&自己紹介

こんにちは。

林広貴です。ご訪問ありがとうございます。

このページではブログの全体像の説明と、簡単な自己紹介をいたします。

本ブログの表記法について

このブログでは少し変わった表記法で日本語を書いてゐます。具体的には前文にあるように「ゐる」と書いたり、また「づつ」「むづかしい」「ぢゃあ」などと書きます。もちろん伊達や酔狂でやってゐるのではない。話せば長いわけがある。

その長いわけにご関心がありましたら、「本ブログの表記法について」及びその中にもリンクを貼ってあります「日本語表記と歴史意識」「手作り漢字表」をお読みください。国語改革についてはあんまり昔のことでもう誰も何も言わなくなりましたが、わたしには非常に重要な問題のように思えます。

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自己紹介

1986年生。生まれも育ちも奈良県奈良市いまはイヌのチャコと東京江戸川の近くに暮らしてゐます。仕事は派遣で経理。趣味は文学と舞踊。

好きな作家は福田恆存夏目漱石芥川龍之介中島敦井上ひさし など。

2016年からカタック(kathak、北インドの伝統舞踊)を学ぶ。インドの先生のオンラインクラスに参加中。踊るのと勉強と二つの車輪でゆっくり進んでゐます。Disciple of Guru Nutan Patwardhan ji.

連絡先:duoxie.hengcun@gmail.com

「音の神秘 生命は音楽を奏でる」ハズラト・イナーヤト・ハーン

音の神秘 生命は音楽を奏でる

ハズラト・イナーヤト・ハーン著、土取利行訳、平河出版社 1998

ヴィーナの演奏家で歌手で詩人、総合的音楽家スーフィズムの西洋への紹介者とある。日本でいえば鈴木大拙とか岡倉天心みたいな位置付けになるのかな。こういう本の翻訳が日本で出版されてゐることに驚いた。非常に面白く読んだ。

 人間の本性には常にものごとを変えていく傾向があるはずなのに、どうして古代の音楽は純粋さを保てたのかと疑問に思われるでしょう。要するにそれは、宗教を変えるのが人間にとって容易ではなかったということです。他のものは変わっても、ずっと守りぬかれてきたものが一つあった。それが宗教だったのです。ヒンドゥー教ヴェーダーンタに由来します。そのヴェーダーンタで第五の相とされたものが音楽で、サーマ・ヴェーダとよばれています。

 インド音楽の研究によって、何千年も昔にクォーター・トーン微分音)と同じくらい細かく音を区分していた伝統の跡をたどることができます。しかも、そんなふうに考察されていたのは音の高さだけではなく、まさに化学さながらに、音の性質や特性といったものまで分析されていました。また、各々の音ごとに乾・湿、寒・暑といったさまざまな効果が付されていたのを、古代の伝統の中に今もみいだすことができます。(・・・)

 形而上学的観点からこれを見るなら、科学がこれからももつであろう、創造全体の根本には波動があるという認識は、古代人にとって自明のことだったし、彼らの科学全体の基礎だったことが分かるでしょう。彼らはすべての現象や宇宙を創造し、維持しているものが一つの力、すなわち波動であることを知っていました。それゆえ人間やさまざまな国が影響を受けたこの見方に深く関わる天文学もまた、波動の科学から起こったのです。こうして、科学としての音楽が惑星の影響力に深く関わっていることを彼らは知り、惑星の不断の運動や働き、そして地球へのそれらの作用が、彼らの音楽を形成するラーガの基礎となったのでした。 37-39頁

 インド音楽は四つの時代に区分できます。サンスクリット時代、プラークリット時代、ムガル帝国時代、そして現代です。サンスクリット時代は神秘的な詩を基にしています。プラークリット時代はさまざまな感情表現を基にしていました。ムガル帝国期の音楽はペルシアやアラビアの影響を受け、現代へと発展しました。これに加えて、インドにはドラヴィダ人アーリア人がいて、共に自分たちの音楽伝統をもっていました。ドラヴィダ人ないしカルナータカの民は南インド音楽を生み出し、アーリア人ないしヒンドゥーの民は北インド音楽を生み出しました。

 インド音楽の科学は数学、天文学、心理学という三つの源から起こりました。西洋音楽にも同じことがうかがえます。和声や対位法の科学全体が数学を基にしているからです。インド音楽の体系的知識はサンスクリット語でプレシュタラとよばれ、それはリズムや旋法(モード)の数学的な配列を意味します。

 インド音楽の体系には日々の音楽で用いられる実に多くの旋法やリズムがあります。旋法はラーガとよばれ、四つの部類に分けられます。まずは西洋音楽でいう自然音階のような七音音階のもの。そして七音音階のラーガの一音を除いた六音音階の旋法。これはオクターブにまったく異質の効果をあたえて、人の心に違った影響をおよぼします。また七音音階から二音を除いた五音音階のラーガもあります。中国では四音音階を使っていますがインドにはありません。(・・・)

 天文学は宇宙の波動の科学を基にしています。すべてのものが振動の状態で決まるからで、そこには星や惑星、さらには国家、民族、個人など、あらゆる対象の状態が含まれます。インド人が音楽の科学にみいだした多くの神秘的な力は、天文学から得たものです。インド音楽はみな特定の惑星とつながっており、また動物界の特定の音の高さを反映しています。 49-51頁

(・・・)語られたことばの中には微細な波動が働く。空気の波動はどうということもないのですが、すべてのことばの背後にある気息には霊的波動があるため、呼吸の作用は身体的な影響をおよぼすと同時に、気息自体が電流でもあるのです。気息はただの空気ではなく、電流です。だからそれは内なる波動といえるわけです。

 ことばの意味はさておき、その音節がもつ音でさえ、良い結果を生むこともあれば悲惨な結果を招くこともあります。このことが分かっている人は、王を称えるのに正しいことばを使わなかった詩人の過ちで、王国が滅びてしまったという古い時代の実例をいくつか思い出せることでしょう。それにしても、人はなんとわずかしか、この問題について考えないのでしょう! 「ああ、私はそう言ったかもしれません。でもそんな意味で言ったのではないですよ」と、人は何を言ってもそのつもりでないかぎり大丈夫だと信じています。しかし、そのつもりでなく言ったことさえ、生命に重大な影響をおよぼすのです。 65頁

 動きは生命を表し、動きの法則にあたるのがリズムです。リズムは動きの中に隠れた生命です。それはあらゆる姿をとって人の注意を引こうとしているように見えます。(・・・)幼児はこの世でまず手足を動かして生を開始し、生命の本質であるリズムを示します。そしてこれは、リズムは生命のしるしであると教える哲学を例証するものです。誰にもある踊りたいと思う気持ちもまた、美の本質がその表現のためにリズムを選ぶということを明らかにしています。 173-174頁

 鋭敏な観察により明らかになるのは、全宇宙がリズムの法則によって働いている一つのメカニズムであることです。波の起伏、潮の干満、月の満ち欠け、日の出・日の入り、季節の変化、地球や惑星の動き、全宇宙体系および全宇宙構造はリズムの法則の下で働いています。これは「現れ」の起源をはっきり示しています。動きは不動の生命から生じ、どんな動きも必然的に二つの相に帰するはずだということを・・・・・。一本の棒を動かすと、一つの動きが二点を生じさせます。一つは出発点、そしてもう一つは到達点です。前者は強く、後者は弱い。これと同様に、音楽の指揮者は「、二。、二。」と数えて、強拍と弱拍を示します。一つの動きが、互いに異なる結果を生む。これこそ、あらゆる姿や形をとる生命の二つの相の背後に隠された神秘なのです。そして、すべての生命の理由、原因、意味は、リズムにみいだせるのです。 179-180頁