手探り、手作り

樂しみ亦た其の中に在り

「マトリックス レザレクションズ」

マトリックス レザレクションズ」2021 アメリカ 

監督:ラナ・ウォシャウスキー 出演:キアヌ・リーヴスキャリー=アン・モス

www.youtube.com

帰省中、奈良の友人達と4人で鑑賞。みな高校の同級生。中学生のときに一作目が大ヒットし、高校生のときに2、3作目が公開されたと記憶してゐる。「マトリックス」はバカな中学生男子が「ホントウの世界がどこか別にあるのかも知れない」とか「ひょっとしたらその世界で自分はトクベツなナニモノカであるかも知れない」などと考えて、未熟な自我を慰安するのに最適な物語だった。

あれから20年が経ち、男達は30代半ばとなり、世界も自分もだいたいこんなもんだということが分かってきた。落ち着きでもあり諦めでもあるような、哀愁を感じはじめるころだ。4人それぞれ、様々な人生上の階梯で奮闘してゐる。いろいろ近況報告をした最後に、「今年は五黄の寅ゆうことやから、みんなうまくいくんちゃうか」という雑なまとめでしめた。

マトリックス レザレクションズ」は最高だった。ぼくは大好き。ナイオビの話の途中ですごい睡魔が襲ってきてしばらく意識を失ってゐたけれど、そんなことどうでもええんや。

結局のところ世界はニセモノかも知れない、ホントウの世界を見つけたと思っても、それがまた別の作られた世界かも知れない。しかし、ニセモノであっても愛はホンモノだ、そして世界は美しいのだ。ぼくはそのような強いメッセージを受け取った。

ビルの屋上でネオとトリニティが見つめ合うシーンはたまらなく美しかった。思わず、ホロリ。キャリー=アン・モスさん演じるトリニティがとても綺麗だった。女優さんはちょっと年を取ると老けたとか劣化とか言われがちだ。老いた人間の美しさはあまり評価されない。この映画のトリニティに、老いてなお、ではなく、老いてこその美しさを見た。感動しました。

キアヌさんは相変わらずカッコイイし、新しいモーフィアスもいい感じだし、新キャラのバッグスも魅力的だった。大満足。年初にいい映画を見ることができた。なるほど五黄の寅だ。