手探り、手作り

樂しみ亦た其の中に在り

オレも料理が出来る、という実感

リュウジのバズレシピに出会ってから料理が楽しくなった。オレも料理が出来る、という実感を初めて得た。それまでも料理はしてゐた。毎日、ほとんど自炊してきた。けれども「いま料理をしてゐるな」という意識も、「自分は料理が出来る人間だ」という自覚もなかった。

なんとなく作って食べてゐた。それならそれでよいと思う。しかし一度ある感覚を知ってしまったらもう前には戾れない。いまでは毎日リュウジさんやほかの料理系ユーチューバーの動画を見ながら料理をしてゐる。気に入ったものはレシピを暗記したからそらで作れる。「至高のトマトソースパスタ」とか。

ああ、オレはいま、まさに、料理をしてゐるぜ、という気持ち。最高だ。この感覚はどこから来るのだろう。思うに、それは、調味料をいくつか加えると合わさって別の味のなる、という不思議に立ち会う体験による。他ならぬ自分がこの味を生み出したのだという実感、これである。

なるほど醤油と酒を混ぜるとこんな味がするのか、みりんてこんなに美味しいのか、豆板醤を炒めるとこんな香りがするのか。そんな小さな発見がこの上なく嬉しい。だしの素やめんつゆや味ぽんばかり使ってゐた時には、この喜びを知らなかった。

料理をするひとからすれば当たり前すぎてそれがどうしたと言いたくなるかもしれない。しかし自分には革命的な体験だった。作ることが楽しいから、失敗しても(下手なので実際よく失敗するのだ)美味しい。上手に出来ると俄然美味しい。

最近のレシピだと「至高のきつねうどん」に感激した。リュウジさんのレシピには何度も驚愕して(「至高の豚汁」とか「至高のペペロンチーノ」とか)、もう驚かないだろうと思ってゐたが、きつねうどんには泣いた。誇張ではない。

苦手意識をもち、実際得意ではない、まったくのド素人に、これだけの体験をさせる。これは凄いことだ。きつねうどんには本当にビックリしたわ。

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