手探り、手作り

樂しみ亦た其の中に在り

鎌倉

友人Kさんを訪ねて鎌倉へ行ってきた。Kさんはこれまで目白に住んでゐたが6月に鎌倉に転居した。パートナーと二人で住んでゐる。職場は都内なので通勤にはけっこうな時間がかかるが、週の半分はリモートワークができるため問題ないらしい。通勤のしんどさよりも、鎌倉で暮らす心地よさのほうが大きいとのこと。

小岩から鎌倉まで乗り換え一回で行けるので楽だった。東京、新橋、品川あたりまではそれなりに混んでゐる。神奈川に入り、横浜を超えると、車内もだいぶ空きが目立つようになり、景色も緑が多くなる。ああ、東京が遠くなる、と思う、と時間の流れがぐっと遅くなったような気がする。

駅を降りてKさんと合流。すばらしい秋日和、鎌倉散歩に最高の気候である。着いてすぐ、ああ来てよかったと感じた。なんて気持ちがいいのだ。Kさんはリモートワークで仕事もさして詰まってゐないので2,3時間空きがあるとのこと。Kさんは、鎌倉は気が整ってゐるのですごく落ち着くと言った。わかる。いい気分だ。

イタリアンレストランでランチ、昨日のことなのにもう名前を覚えてゐない、カリっとした食感のパン生地で季節の野菜やらハムやらをはさんだおいしい料理をいただく。グルメぢゃないので、オシャレな店で知らない料理を食べることに不慣れである。このあたり、すべてKさんまかせ。

鎌倉は家賃でも物価でも東京と変わらないとのこと。うしろにすぐ山がせまってゐるので住める場所が限られてゐる、移住したい人も多いので、不動産屋は強気に出て、礼金・敷金が二か月分とか取られるらしい。むむむ、である。鎌倉といえば養老孟司さんが山の中に住んでゐるはず。お元気ですか?

野菜の直売所があるというので行ってみる。おもしろい。若宮大路を歩いて鶴岡八幡宮へ向かう。この道は由比ヶ浜から鶴岡八幡宮までまっすぐのびてゐる。とてつもない開放感、海から風を受け、山の緑を楽しみながら、ゆっくり参道を歩く。全身の細胞が喜んでゐる気がする。

鶴岡八幡宮をあちこち歩き、疲れたので参道のお茶屋さんでわらび餅をいただく。もっちりしてゐて美味しい。黒蜜の甘さもたまらない。ここでKさんとお別れ。帰りは小町通りをぶらぶら歩く。平日なのにすごい人出である。まだ明るいうちに帰路につく。

短い時間だったが鎌倉散歩を満喫できた。Kさんの言うとおり、気が整ってゐるから、からだもこころもほぐれていく感じがする。鎌倉はいいところだ。ぜひまた遊びに行きたい。