手探り、手作り

樂しみ亦た其の中に在り

「バクラウ 地図から消された村」

「バクラウ 地図から消された村」2019 ブラジル、アメリカ 

監督:クレベール・メンドンサ・フィリオ 出演:バルバラ・コーレン、トーマス・アキーノ、ウド・キア ほか

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鑑賞から一夜明けて、ああ面白かったもう一度見たいという気持ち。後半に入るまでどういう話なのかよく分からないので集中が切れそうになるところもあったけれど、投げ出すまではいかない。いろいろな手掛かりを少しづつ提出してきて、何が起ってゐるかを考えさせる。

このネタ出しのバランスが見事だと感じた。UFO(ではないのだが)が出て来て面喰ったり、突然のエロとかバイオレンスの描写が素晴らしいので、頭にはてなが浮びながらも緊張と興味が持続する。役者さんがみな魅力的なのも大きい。ルンガ役の人なんか特別に華がある。

想像で引っ張っておいて、ほんとうに終盤、歴史博物館に入ったところで「お~そういうことか!」という種明かしがあり一気に見通しがよくなる。これが凄い快感なので完全に村人側に感情移入してしまう。心のなかで「殺れ!殺れ!殺っちまえ!」と思ってゐる。自分のなかの残虐性があっけなく顕れて怖ろしい。小さな村の出来事なのにスケールは神話的に大きい。

ところで、昨日の晩御飯はリュウジさんの「至高の水炊き」に挑戦した。友人に、これはすごいから是非やってみて、と言われてつくった。絶品だった。雑炊までいただき大満足、ヘビロテ確定です。手羽元・手羽先を手を汚しながらほおばるのは、「バクラウ」のエログロによく合ってゐたと思う。ツンとくる酢醤油がまたよいのです。

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至高の水炊き。写真はまづいが味はよい。