これでよい
今年もあと一日半となった。よくがんばったなあという充実感に浸ってゐる。このように後悔のない、前向きな、充実した気持で一年を終えるのは人生で初めてかもしれない。よくやったと思う。カントの最後の言葉は「これでよい」だそうだ。いいよね。ぼくはこの一年を「これでよい」という気持で終える。やるべきことを、全力でやった。
今年は環境を変えた一年だった。その経緯は「環境を変える。」と「環境を変えた。」に書いた。これらの記事の中には書かなかったが、環境を変えようと考えたきっかけは、3月に失業したことだった。これはけっこうこたえた。けっこうこたえて、失業給付の手続きが済み、よし、しばらくゆっくりして、せっかくだから職業訓練でも受けてみようか、と踏ん切りがついた頃に、同じ職場から呼び戻された。
ま、仕事はあったほうがええわな、と復帰した。しかしあからさまに調整弁として使われるのは屈辱的なことであり、自尊感情をむしばむ。やはりどうにも割り切れない思いがあったことから、ぼくは自分を引き上げるために街歩きを始めた。
歩いてゐるうちに引越をしたいと考えるようになり、そこでチャコを引き受けないかという話がきたのだった。そのあたりは上記の記事に書いてある。住む街を変え、イヌと暮し始め、カタックのオンラインレッスンに参加するようになった。すべてうまくいってゐる。
退職
さて、8月の頭、引越をする直前に、友人から「電子書籍の出版を手伝ってほしい」という依頼を受けた。これまでたいへんお世話になってきた人である。ぼくは構成と執筆を担当することになった。そのために8月以降はもっぱら経済学に関する本を読むようになった。
勉強し出すと面白くなってきて、11月の半ばである、キラリ、簿記の勉強をしてみようとひらめいた。そこで思いだしたのが職業訓練のことである。ぼくは10日分しか失業給付を受けずに復帰したので、残りの給付日数がたくさん残ってゐる。これは一年間、すなわち2022年の2月までならいつでも給付を再開できる。
そこで、年内で退職をして、すぐに失業給付を受け、職業訓練に応募し、簿記の資格を取ろうと考えた。数日じっくり考えて、ハローワークに確認を取り、何人かの友人に相談をし、まったく問題ない、これはよい選択であると確信した。きれいな流れで、「環境を変える」の最後の展開が見えた。来年の頭にハローワークに行って詳細を詰めるが、希望としては、4月から半年間学校に通い、簿記2級を取りたい。
有給消化があるために12月20日頃に仕事を終え、そこから必死になって原稿を書き、クリスマスに約4万字の原稿を完成させた。いろいろ荒いところがあるけれど、全体ができれば残りはごりごり添削すればよいだけだ。
今年はかつてないほどたくさんの文章を書いた。筆力が向上したという実感がある。とても嬉しい。書きたいことがたくさんあるのだ。
五黄の寅
年明けから無職であるにもかかわらず、すがすがしい気持だ。やりたいことがたくさんある。読みたい、書きたい、踊りたい、勉強したい、インドに行きたい。この欲望の大きさはいったいなんなのだろう。世の中には好きなことがなくて悩んでゐる人がゐる。ぼくは好きなことが多すぎて悩んでゐる。すべては神の配剤。ただ受け入れるのみ。
来年の事を言えば鬼が笑う。これ以上なにも書くまい。先日、友人に年末の挨拶ラインを送ったら「来年は五黄の寅で私達の年だよ笑」と返ってきた。知らなかった。そんなのがあるのか。ええがな、ええがな。これでよい。