「活きる」1994 中国 監督:チャン・イーモウ 出演:グォ・ヨウ、コン・リー
☟日本語の予告編は見つからず。
40年代の国共内戦、50年代の大躍進政策、60年代の文化大革命、に翻弄される家族の運命を描く。人間万事塞翁が馬という故事を思い出す。
ぼくは中華の意匠全般が好きなので、いろんな風俗を見るだけで楽しい。影絵はもちろんのこと、賭博場の様子とか、胡同の街並みとか、全部いい。
コン・リーさんの演技が素晴らしい。特に老けてからがいい。あと予告編でもいろいろ使われてゐるけれど、カメラワークが本当に見事だと思った。カメラが動き、人が動き、感情が動き、物語が動く、そのリズムで泣かされた。
この家族にとっては、共産主義も大躍進政策も文化大革命も、外から襲い掛ってくる「よく分らないもの」なのだ。ただ生き延びるために、いかにもオロオロと、それらに適応するマネをする。そうして生き延びても、老いた二人の傍に子供達はゐない。ただ可愛い孫の、息子と生き写しの孫の笑顔だけが救いだ。なんという哀れ。