宮爆鶏丁(ゴーンパオチーティン)をつくった。Wikipediaや百度百科で調べると「宮保鶏丁」という表記のほうが一般的みたいだけれど、わたしは「爆」の字が入ってゐるほうが景気がいい感じがしてテンションが上がるので「宮爆鶏丁」でいきたい。
宮爆鶏丁はまづ名前がカッコイイ。そしていろいろな食材を楽しめるのがいい。必ず入ってゐるのはメインの鶏肉で、カシューナッツまたはピーナッツ、ピーマンや長ネギなどを使うことが多いようだ。さまざまな色と食感と味を楽しめるので大好きだ。
とつぜん、猛烈に宮爆鶏丁が食べたくなった。宮爆鶏丁を食べること以外に考えられなくなった。気が変になりそうだ。宮爆鶏丁を食べるしかない。こういう場合、これまでのわたしなら中華料理屋に出かけるところだが、リュウジのバスレシピに出会って以降のわたしは従前のわたしではない。
宮爆鶏丁も自分でつくれるのではないか? と思った。リュウジさんには宮爆鶏丁のレシピがないらしい。だから検索して出て来たほかのひとのレシピを参考につくることにした。自宅にある調味料と近所で手に入る食材でつくれるような、これぞというレシピがなかったので、複数の動画を参考に組み合わせてつくってみた。
美味しかった。カシューナッツのように使う機会がほとんどないものを、こうして自分の好きな料理のために買ってきて調理するのはなんとも嬉しいものだ。満足したが、やはりセンスのない人間が自己流でつくったものだから、食べてすぐに注文を付けたくなった。
鷹の爪を入れるべきだった。それからオイスターソースの量が多すぎて味が重かった。オイスターの濃厚さよりも、辣(ラー)と麻(マー)の突き抜けるような刺激が欲しいのだ。思うに、日本人が日本人のために提供するレシピは、辣や麻を感じさせる中華調味料をかなり抑えてゐる。油の量も少ない。
日本式中華も大好きだが、わたしが食べたい宮爆鶏丁は赤透明の油がしたたる、辣がカツーンで麻がツコーンのそれであった。今回の反省をふまえ、次回はまた別のレシピで挑戦したい。カシューナッツがなくなったらピーナッツもよいだろう。タマネギだと甘すぎるので、長ネギのほうがよさそうだ。
しばらく土曜の夜は宮爆鶏丁に固定して、いろいろなレシピと具材を試すことにする。さきほど中国の動画を見てゐたら、仕上げに花椒油をぶっかけながら「花椒油がこの種の料理のたましいです」と言ってゐた。花椒油を探してみよう。
ドキドキワクワクやで。