手探り、手作り

樂しみ亦た其の中に在り

試験とフレンチトースト2023

ビックリ

1日(水)から新しい職場で働きはじめた。3日間だけの印象だけれど、すごくよい環境でおどろいてゐる。みなさんやさしく、ゆっくり慣れていけるように余裕をもったスケジュールを組んでくださってゐる。デジタル化が進んでゐて紙に印刷した文書が少ない。だから個人のデスクというものがなく毎日パソコンをもって好きな席に座る。

昨年末に期間限定で働いた出版社と比べると、生産性はひょっとしたら3倍くらいになるかも。そこは経理ソフトで管理して、エクセルで管理して、紙で管理して、というようにアナログのうえにデジタルを上乗せするせいで無暗に複雑なことになってゐた。

すごく開放的。入社から数年目以内の若い女性が大活躍してゐる。管理職のひとが開明的なのだと思う。年齢や性別や雇用形態による差別はあってはならないという意志を感じる。あるんですね、こういう職場が。

むしろぼくのほうが属性を意識しすぎてゐたらしく、帰りにちょっと離れたところにゐた上長に挨拶に行くのを二日続けたら「そんな中学生の部活みたいなことはしなくていい」とたしなめられた。

入ったばかりだしそんなに遠いわけでもないし、まあ挨拶するのが自然だろうという意識からだったが必要なかったらしい。いや行為そのものよりも、ぼくの雰囲気に「ペコペコ感」が出てゐたのを感じとってそこを問題にしたと解するべきか。

長く派遣で働いてきたこと、雇止めにあった経験、前回も今回も調整弁的な期間限定の仕事であること、73もの求人にエントリーしてようやくここに決まったこと。このような労働歴から卑屈な気持が育ち、我知らず「ペコペコ感」が出てゐたと考えられる。

これは本意ではない。悔しかったので、校閲時代からの友人に「ぼくはペコペコしてるかな」と聞いたら、「林さんにペコペコ感はないなあ。むしろちょっと偉そうと思ってた笑」と返ってきて安心した。ペコペコより偉そうのほうがよほどよい。

来週からはペコペコから偉そうへと大きく舵を切りたい。ピアスも装着だ✨

Exams? Bring it.

そして今日4日(土)はカタックの試験だった。一年に一度の大事なイベントである。すごく緊張するから前日には WhatsApp グループにみなさんの励まし合いの投稿が並んだ。

All the best to all👍

Best of hard work and luck to all👍

など。Nutan先生も、

All the best girls. Be confident Please keep smiling while dancing. That is most importan.

と気遣った。印象的だったのはあるひとがアップした☟の画像。

かわいくて笑ってしまった。試験がどうした、かかってこんか。ぼくは去年が1年目だったから今年は2年目の試験に参加した。踊るほうは問題なくこなしたが、術語の定義を問われてうまく答えられなかった。

「Tukra」と「Tora」の定義を言いなさいという題である。これはまったく予想外の質問だった。ぼくの英語力ではなにか言おうとする場合、いちおう事前に頭のなかで準備してゐないとすっと出てこない。

ぼくは、「Tukra」と「Tora」はカタックの最も基本的なコンポジションでありふつう1または2avartan 以内に収まる。「Tukra」と「Tora」は同じ概念である。と答えた。

間違いではない。しかし重要な要素がいくつか抜けてゐる。Tabla のball によって構成されること、Sum に始まり Sum に終わること、Tora は Tukra より長いこと。これを言えたらよかった。しかし頭にあってもその瞬間に英語化できたのは上の内容だけだった。

果して先生は満足しなかった。「真面目な Hiroki」がこんな基礎的なことを忘れてゐたことにがっかりしたように見えた。先生は精確な定義を言った。ぼくは意気消沈、集中が切れてあまり聞き取れなかった。

悔しかったので同じ2年目の試験を受けたミタさんにメッセージを送り、どのあたりがポイントだったのでしょうと訊いた。ミタさんは自分のノートを読み上げたボイスメールを送ってくれた。

Tukra meas small phrases of ryhthmic compsition. Tukra is smaller version of Tora. Tukra is never more than one or two avartan. Tora is compisiton of specific ball of kathak whch begin at Sum and after one or many avartan of Tal, again lands at Sum. There are various types of Tora. For example, Natwar Tora, Premelu Tora, etc...

これを聞いて、確かに定義を問われたらこれくらい答えないといかんわなと思った。英語力のせいではない。ぼくの勉強不足、準備不足である。意気消沈した自分がバカみたいに思えてなんだか元気になった。

ミタさんに「ありがとうございます!これを暗記します!」と返信した。そしたらミタさんからまたボイスメッセージが来た。

Actually we did'nt anticipate that will be us question and answers, so I gess we were not prepared for it, you know. And all it was not as good ad we expected,,,,,ah,,,,,

(実際のところああいう質問が来るとは思ってなかったですよね。だから私たちみんな準備してゐなかった。それであんまりうまくいきませんでしたね。。。ああ。。)

というのは、概念の説明は2年目の試験範囲として事前に知らされてゐたものの中に入ってゐなかった。だからぼく以外のひともけっこうしどろもどろだった。「And all it was not as good ad we expected,,,,,ah,,,,,」である。

ま、でも試験というのはそういうもので、だから日頃しっかり復習しなさいよということなのだと思う。試験直後にはへこんだけれど、ミタさんと遣り取りして元気がでた。よい経験をした。

乾杯

去年のブログをみたら試験の日にリュウジさんの「至高のフレンチトースト」を食べたと書いてあったので、今年もつくることにした。材料はパン、卵、牛乳、生クリーム、砂糖、バター、メープルシロップ。なんてヘビーな食べ物なんだ。

砂糖と油をたっぷり吸いこんだふわふわのパンをぐいぐい口に放り込んでゆく。最高だ。新しい職場での初週が終わり、試験も終わり、解放された気分。こういうときは砂糖と油に限る。そしてそれを熱いブラックコーヒーで胃袋へ流し込むのだ。

夜もパーティーだ。リュウジさんの「暗殺者のパスタ」をつくった。これをつくるのは二度目だ。最初よりも上手に出来た。ポイントはしっかりパスタを焦がすこと。自分の好みで、レシピよりもタマネギの量を増やした。タメネギを増やすと甘味が増すから唐辛子も多めに入れてバランスをとった。

うまい。もうリュウジさんのバズレシピなしでは生きていけない。

リュウジさんはいつもハイボールを飲んでゐるがぼくはワイン派である。ワインを飲みながら映画を見た。素晴らしい映画を見て最高の気分で今日を終えたいので、ポール・トーマス・アンダーソン監督の「マグノリア」を見ることにした。

いい映画だなあ。

This happens. This is something that happens. なんだって起こりうるんだ。

明日はささっと掃除をして、チャコと長い散歩をして、ゆっくり本を読もうと思う。