手探り、手作り

樂しみ亦た其の中に在り

閃光のハサウェイ、中華料理、献血

黄金週間でもとくに予定がないのでふだんの休日と同じような過ごしかたをしてゐる。

映画「閃光のハサウェイ」を見た。ガンダム映画である。ガンダムシリーズはいわゆるファーストガンダム全話と映画「逆襲のシャア」を見てゐる。それではガンダム作品のほんの一部でしかないのだが、「閃光のハサウェイ」はアムロとシャアの戦いを描いた「ファースト」及び「逆襲のシャア」の線上にある作品だから大丈夫だろうと踏んだ。

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富野監督のガンダムとはまったく異なる魅力をもつガンダムで、ああこんなことが出来るのかと感動した。アニメーションの質が凄く高い。登場人物の表情とか視線の演出が素晴らしい。聲の演技もいい。ガンダムのデザインもかっこいい。これは真剣に言うのだが、ひょっとしたらガンダムをまったく見たことがないひとが見ても面白いのではないか。三部作らしいから次は劇場で見たい。最高でした。

ラブラッドから小岩駅前に献血車が来るという案内メールが来たので予約をした。献血の前に中華を食べることにした。ふだんと同じ過ごしかたをしてゐても、なんとなく世間の連休気分は感じる。めったに外食はしないが、こういうときにちょっと贅沢するのも悪くない。景気づけだ。中華だ。ぼくは中華料理が大好きだ。

青椒肉絲と水餃子と胡麻団子を頼んだ。大人になってピーマンが食べられるようになった。青椒肉絲の美味しさを知った。千切りにしたピーマンの歯ごたえと苦みがたまらなくいい。そこへ豚肉が絡まって、苦みと甘みがひきたてあってゐる。色も綺麗だ。青椒肉絲という字面もいい。大好きだ。

胡麻団子も大好きだ。胡麻を油で揚げる、と上品な香ばしさ、ほのかな狐色。パリパリの表面にかぶりつくと歯がやわらかいもちに触れる、中心から真黒の餡が出てくる。この餡にも胡麻が練り込んであるから、団子が割れた瞬間にふわっといい香りがただよってくる。最高の点心だと思う。大いに楽しみました。中国人は偉大だ。

昼には遅い時間だったから店内はすいてゐた。たいらげて、あまりの美味しさに席でしばし放心。最高の中華を腹に入れて精気一杯というところ。ゆっくりと駅前の献血車へ向かう。受付で、ここではマスクをお願いしますと言われる。2週間くらいマスクをつけない生活をしてゐたからちょっと新鮮な気がした。

400ミリリットル献血。血液は体重の6~8%くらいあるんだって。ぼくの体重はたぶん60キロくらいだから4キロ=4リットルか。とすると10分の1程度の血液が抜かれるわけだから、なるほど水分をたくさん取るよう言われるわけだな。

血を抜かれてゐるあいだ、目をつむって、ああ血が抜けていくな~と感じる、血の流れに意識を集中する、これがいわゆる献血瞑想と呼ばれる状態である。気持ちよく献血瞑想してゐたら、車内のラジオから、というか献血車にラジオかかってんのね、南国気分のいい感じに馬鹿っぽいイントロが流れてきた。

それで瞑想が途切れてしまった。なんて軽い音楽なんだと思って聞いてゐたら、まったく陰翳も抑揚もない調子で若い女性の聲が「車で駆けてこ🎵」と歌いだした。「キャラメル気分で🎵」「はじけるリズムで🎵」である。

なんということだ。PUFFY やないか。すべての真剣なものを陳腐化してしまう脱力感はまさに狂気。血を抜かれながらついノリノリになってしまったのでした。

献血車 渚にまつわる エトセトラ

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