手探り、手作り

樂しみ亦た其の中に在り

気管支炎

5月31日(水)から咳が出始めた。土日休めば治るだろうと思ってゐた。私は虚弱体質で体調が悪いのはいつものこと、風邪もしょっちゅうだ。でも医者にかかるほどになるのは稀で、しっかり寝ればたいてい治るから。

しかし今回はちがった。日曜の夜、咳が止まらず眠れなかった。朝起きると喉が酷いことになってゐた。聲が出ないぢゃないか。眩暈や倦怠感はさほどではないが、とにかく咳が止まらない。仕事に行った。16時で早退して病院に行くことにした。

医者は「同じ症状の患者さんがうんざりするほどたくさん来てゐます。春秋に流行するウイルスによる気管支炎です。咳止めの薬が市場からなくなるのではないかと心配になるほど拡がってゐます」と言った。

二種類の咳止めを処方された。近くの薬局で薬をもらった。病院はマイナンバーカードの読取機を導入してゐなかった。薬局は読取機はあったが電源が入ってゐなかった。あれだけ問題が起きれば当然のことだろう。

私はベーシックインカム実現のためにはマイナンバーのような制度が必要と考え、早い段階でカードをつくった。当初は保険証廃止など言ってゐなかった。普及しないからポイントで釣ろうとし、しまいに保険証をなくすと言い出した。

計画なしに始めて後からいろいろ追加して結果的に滅茶苦茶になる。漢字政策と同じだ。マイナンバーカードと保険証の紐づけがうまくいかない原因のひとつとして人名用漢字の問題があると聞いた。そうだろうなと思う。あれは特に継ぎ接ぎしすぎてワケワカランことになってゐるから。

よくある左派批判に「設計主義は傲慢だ」というのがある。頭で考えたことをそのまま現実に押し付けてはいけないというわけだ。それはその通りだと思うが、批判されるような設計主義が日本にあるだろうか。私にはむしろ設計主義的な発想が皆無であることが日本の問題のように思える。

マイナンバーカードにしても、少子化対策にしても(経済も防衛も)、まるで設計図がない。この政策によってどういう社会を実現したいのかというビジョンがない。よさげに聞こえるのはみんな一時的な選挙対策で、実際にやるのは特権階級への利益誘導だ。

で、その特権階級が、自浄作用がないために、指数関数的に劣化してゐるように見える。優秀な官僚は逃げ出し、国民は「自分のこと」で精一杯。このように滅びていくのだなと実感する毎日である。

火曜から金曜まで仕事を休んだ。火曜と水曜はまったく聲が出なかった。二種の咳止めにはそれぞれ眠気を誘発する成分が含まれてゐるから飲むとよく眠れた。木曜から回復基調に入った。空咳が痰咳に変わった。喉の機能が戾ってきて痰を生成するようになったのだろう。知らんけど。

毎夜、夕食を取りながら「ワイルドスピード」シリーズを見てゐる。車と爆薬と筋肉でつながった「ファミリー」の物語だ。荒唐無稽なアクションの連続で、CGもたくさん使ってゐるはずだが、とにかく大量の車を破壊してゐるのは本当だろう。この物質感が魅力だ。バカ方向に振りきった「ミッションインポッシブル」と言えるかもしれない。

この週末油断せずに療養してゐれば週明けから出社できるだろう。とことんバカになって楽しめる「ワイルドスピード」は療養に最適。今夜は現在のところシリーズ最大のヒット作であるスカイミッションを見るのだ!

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