「NOPE/ノープ」2022 アメリカ 監督:ジョーダン・ピール
出演:ダニエル・カルーヤ、キキ・パーマー、スティーヴン・ユァン 他
最高だった。IMAXで見たいですね。というかIMAXの迫力を知ってしまうと、ふつうの上映形式では満足できないなあ。
IMAXといえば、この映画に出てくるIMAXを手持ち撮影するオッチャンいい味出してたわ。アイツの姿に興奮して正気を失い「不可能を撮るのだ」と突進していく滑稽な荘厳さ、かっこよかった。オレも一緒に行くぜ、という気分になりましたもんね。ああいう人間の愚かさに対してサイコー!って感じるのは実に楽しい。映画だ。
あといつの間にか仲間になってゐるホームセンターの兄ちゃんもよかった。「今朝女優をやってる彼女にフラれた」とか言っていきなり大声出すところとか。ああいうの、ホントにいいわ。あの時点ではこの映画がどういう話なのかよく分かってないから、いろんなことが怖いというか、見てゐるほうはドキっとするんだけれど、ただそういう兄ちゃんだという。で、それで魅力が出るんだから面白いよな。
そう、この映画、後半までどういう映画かさっぱり分からないんだ。でも緊張感が継続する。「ゲット・アウト」「US(アス)」もそうだけれど、絵がカッコイイからずーっと画面に釘づけ状態、それで自然に集中してしまう。どういう意味なんだろう。これがどこで何につながるんだろう。凄く考えて見る。絵がカッコイイから分からないことがストレスにならない。
アイツの正体がああいうものだと分かってからの活劇もたまらないですね。エヴァ&AKIRAのオマージュとか「楽しい~!」だった。あんだけ露骨なオマージュをやっても大丈夫なのはこの映画がそれに負けないパワーをもってゐるからだよな。主人公がアイツを背にして馬に乗って逃げるシーンとかアゲアゲ。音楽もよかった!
絶対に目を合わせてはならない、見たらアイツに喰われてしまう。アイツは現代のなんでも撮影してネットにさらして消費してしまう匿名意識の暗喩かしら。でもそのアイツをこっちのほうも必死で撮影しようとして、最終的にはそれに成功し、アイツはハジケてしまうのだから、こちらも同類なんだよな。見る/撮るとは喰うことなのか。
デビューから3作とも全て面白いのはすごいよなあ。作品ごとに予算が増えてどんどんスケールが大きくなっていく。ジョーダン・ピール監督、追いかけたい。
次回作も必ず見ます✨