イヌの愛され力はすごいなと思う。友達がチャコの誕生日プレゼントをくれた。
まづ江戸川沿いイヌ仲間のNさんがドッグフードに混ぜるふりかけをくれた。基本的には同じドッグフードを毎日食べさせるのだけれど、イヌもそれだと飽きてくるのでいろいろ工夫をしなくてはならない。
ぼくはお湯でふやかして匂いを強くしたり、かつおぶしをふりかけて香りをつけたり、あとは味噌汁をつくるときにダイコンやニンジンの皮をとっておいて、茹でて刻んでドッグフードに混ぜたりする。根菜の皮はコリコリしておいしいらしい。いつもいい音を出して食べてゐる。
いただいたふりかけをチャコはいづれもおいしそうにパクパク食べてゐた。これはたいへん上等なもののようで、匂いを嗅いでみると人間でもいけるのではないかと思うほどだった。ぜいたくなイヌだ。
こういういいものを続けてあげると、イヌも学習してただのドッグフードでは満足しなくなる。おいしい部分だけ食べてドッグフードは残してしまって、昨日のアレ出してよ、みたいな顔をして見つめてきたりする。困ったものだ。
名古屋で会計事務所をされてゐる松本さんはモフモフのベッドをくれた。はじめは警戒してゐたけれど、やがて慣れ、いまはすっかりお気に入りになった。大きさがぴったりで、からだがすっぽり入るのが気持いいようだ。
これはステキな寝床だ。いい具合にからだをおさめて、安心して眠る。飼ってみて初めて知ったのだけれど、イヌは寝てばかりだ。こんなに寝るとは知らなかった。ただ眠りが浅いので、声をかけるとすぐ目をさます。チャコは警戒心が強いので、寝てゐるときに触れようとすると噛みついてくる。怖い怖い。
ぼくは鹿のアバラと服を買ってあげた。服はまだ着せてゐない。昼間は日差しが強くてまだ暖かいから。
イヌの愛され力はすごいなと思う。これはきっと、安心して贈与できるからだ。愛されるより愛したい、とキンキキッズが歌ってゐたように、贈与する喜びはとても大きい。だから人のために何かしたいと思う。けれども人はなかなか受け取ってくれないし、断られると傷つくので、慎重さと節度が求められる。
ペットはそうではない。贈与し放題だ。俗に「猫かわいがり」というように、なにも考えずに溺愛してよい。ペットはその愛らしさとともに、贈与する喜びを与えてくれる。