天皇制について考えようと思って読んだ。
こういう本を読むと、学者って偉いなあと思う。
これほど包括的に、客観的に、遠慮なく書けるのは、著者が外国人だからだろう。
思い入れがない分、とてもドライで開放的な文章になってゐる。
英語で書かれたものだから、当然、非日本人を対象にしてゐるので、ぼくみたいに天皇制に詳しくない人でも読みやすい。かなり初歩から書いてくれてゐる。
日本は実質的に移民国家になってをり、これからもどんどん外国人が増えていく。そうなると天皇制は「日本人」を超える普遍性をもたなければ存続できないことになる。
そういう意味でも、外国人による天皇制研究であるこの本は、たいへん貴重だと思う。