「生前退位をめぐる安倍首相の策謀」2017
著者:五味洋治 宝島社新書
この本が出たのが2017年の2月、天皇退位の特例法が成立したのが同年の6月。だから、この本は、いってみれば「策謀」の途中までしか書かれてゐない。
そこから2年たち、今年、天皇の退位と新天皇の即位がなされる。それが終わった段階で、その経緯の全貌を書いてくれたらうれしいな。
デリケートな問題だからうかつなことは言えないけれど、天皇制について国民ひとりひとりが考えて、語るということは、必要なことだと思う。
「ふつうの人」「政治的な発言はあんまりしたくない」と思ってゐる人こそ、語らないといけない。
ふつうの人が口をつぐんでゐたら天皇制が「天皇陛下バンザーイ」と言ったり「八紘一宇は日本の伝統だ」とか言ってる国家神道的・国粋主義的勢力にほしいままにされてしまうからだ。
これは非常に危険だ。
国民感情から言って天皇を批判することは難しい。絶対的な権威がある。だからこれを政治的に利用できれば非常に便利である。
でも、それができないようにしなくちゃいけないんだ。
そのために、天皇を可能な限り「国家」と分離させる必要があるんぢゃないだろうか。