手探り、手作り

樂しみ亦た其の中に在り

「深遠なる「幾何学」の世界」マイク・ゴールドスミス

深遠なる「幾何学」の世界」マイク・ゴールドスミス

銀河、カタツムリの殻、雄ヒツジの角、象の牙、ヒマワリの種の並び方など、自然界にはらせん構造が多く見られる。曲線の間隔が絶え間なく広がっていく。このらせんを対数らせんという。間隔がずっと変わらないのはアルキメデスのらせん。

対数らせんは拡大しても縮小しても同じ図形になる「自己相似」という特徴をもつ。対数らせんが自然のなかに普遍的に存在するのは、植物や動物は、形は同じまま、より大きな要素が加わって成長するからである。

ハヤブサは対数らせんを描いて飛ぶ。なぜか。

(・・・)対数らせんには「等角」という性質がある。つまり、中心かららせんを通る直線を引くと、らせんを描く曲線と直線が同じ角度で交わるのだ。ハヤブサは対数らせんを描いて飛ぶ。彼らの目は頭の横にあるため、前方への視界は広くない。一方、真正面から40℃傾いた場所はよく見える。そのため自分の前方にいる獲物に向かって真っ直ぐ進もうとすると、頭を40℃傾けた状態を保つ必要がある。しかし、それでは風の抵抗が大きくなる。対数らせんを描きながら飛べば、ハヤブサは常に広い視野角を維持しながら頭をまっすぐに保つことができる。 25頁

なるほどなあ。目の位置によって「前」とか「横」の意味するところが違ってくるわけか。ハヤブサの「真っ直ぐ」は人間の数学がいうところの対数らせんということなんかな。あるいは、対数らせんで飛ぶのは視界を拡げて探すときだけで、獲物を見つけたあとは「真っ直ぐ」進むんだろうか。なんしか、面白いわ。

あ、思い出した。そういえば「ジュラシック・パーク」のグラント博士は恐竜は鳥から進化したと言ってゐた。たしかにラプトルが人間を見るときは顔の横面をこちらに向けてゐたな。

一作目は本当に怖かった。子供たちがホテルのキッチンに逃げ込んで、ラプトルが丸窓から覗き込み、鼻息かけて、爪で扉を開けちゃうとこ。もうダメだと思った。このシーンのスピルバーグ演出は神がかってますね。感動しちゃった。

www.youtube.com