手探り、手作り

樂しみ亦た其の中に在り

「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」2014 アメリ

監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ 出演:マイケル・キートンエドワード・ノートンエマ・ストーンナオミ・ワッツ

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2014年に劇場で鑑賞したときには、なんだこれは、ちっとも面白くない、これがアカデミー作品賞なのか? なんて感じたものだったけれど、見返してみたらベラボーに面白かった。これは最高だ。いやスゴイ。8年前のぼくはいったい何を見てゐたのだろう。そういうことってあるよね。

マイケル・キートンさん凄い迫力。エマ・ストーンさんかわいい。8年前はエマ・ストーンさんのことを知らなかった。この時から素晴らしいですね。エドワード・ノートンさん、クソ野郎が似合いますね、楽しそうでした。ナオミ・ワッツさん、「マルホランド・ドライブ」でも「キング・コング」でも売れない女優さんを演じてましたが、本作でも安定の、、、

見直してみると映像の美しさに感動した。暗い場所でのシーンが多いのにどの瞬間もすごく鮮明で輪郭がすっきりしてゐる。ノーカットで楽屋・舞台・ブロードウェイといろんなところに移動するのだけれど、とにかく綺麗でした。ごちゃごちゃしたシーンばかりなのにどこもクリア。

主人公とそのアルターエゴ(バードマン)との対話、劇中劇、劇を上演する模様、という三つの劇が切れ目なしのワンカットで描かれ、どの層でも深刻な人間模様が展開される。いろいろ重なりあって圧倒される。

そんなことあるかよ、ってことがたくさんおこって大笑いするのだけれど、でも世界ってこんなものなんだよな、とも思う。劇的な瞬間て、気づかないだけで実はいろんなところにあるんだよなと、世界の見え方が変わる一作。

パンツ一丁でブロードウェイを闊歩するマイケル・キートンさんが客席から舞台に入ってきて自分の口で「ノック、ノック、ノック」という場面、呆れかえりながら猛烈に感激しました。