「ムツゴロウ先生の犬と猫の気持ちがわかる本」畑正憲 ベストセラーズ 2012
犬や猫が家にやってくると、普段の生活の中で犬や猫に拘束されることが非常に多くなります。
トイレを汚したら換えなければなりません。そこらじゅうに毛も散らばります。寂しければ「ワン!」と鳴きますから、相手をしなければなりません。
ペットがいると、さまざまなケアをしてあげなければならないため、人はいろいろと手を動かしたり、心を使ったりします。これこそが、人類を支える大切なものであると思ってください。
日常的な事柄や具体的な作業を軽視せず、それを率先してやることーーそれこそが人生です。犬や猫がくると、人生がずっと豊かになります。いろいろな世話もやらざるを得なくなってくるのです。
実はここに、犬や猫が家庭の中に入ってくる大きな意味があると思います。 25-26頁
チャコがきて明日で2週間になる。ムツゴロウさんのこの言葉をかみしめる毎日だ。チャコは毎朝5時に起きるので、ぼくも5時に起きる。起きるとウンチやオシッコをしてゐることが多いから、片付ける。布団をあげて、着替えて、散歩に行く。
散歩から帰ってきて足や腹を拭こうとすると、チャコは獣みたいにウーと唸って噛みついてくる。大丈夫、怖くないよ、敵ぢゃないよ、といって体をなでると落ち着いた状態に戻る。また拭こうとすると、やはりウーとなる。まだダメだなと思って諦める。ブラッシングもさせてくれないので、たくさん毛が抜ける。日に何度も掃除をする。
甘えてくるときには腹でも足でもさわってなんでもないのだけれど、「拭く」とか「ブラッシング」するという意志が感じられた場合に、攻撃だと勘違いして、獣化するようだ。先日、トリミング店に行ってシャンプー・爪切り・肛門腺絞りなどをやってもらった。トリマーさんは、チャコは暴れも噛みつきもしなかった、といってゐた。
やはりぼくが拭いたりブラッシングしようとするときに「するぞ、できるかな」という意志と不安があるから、それを感じ取って反応してしまうのだ。しかし毎日からだをなでながら「大好きだよ~絶対傷つけないよ~」と伝え続けてゐるので、ここ数日はお腹を見せて、完全リラックス状態でなでさせてくれることもあった。
昨日は印象的な日だった。朝起きてチャコをケージから出して、自分がトイレに行ってゐるあいだに、掛布団にオシッコされてしまった。
嬉しくて興奮してのことらしい。初日に同じく興奮してカーペットにソソウしたのを除いては、なにか汚されたことはなかったので、油断してゐた。噛みつきへの対処に気を取られてゐた。
布団を洗えるコインランドリーに行って洗濯機を回し、戻ってきて散歩に行き、帰ってきて体を拭こうとしてやはりウーとやられ、またコインランドリーに行って布団を取り、戻ってきて干した。
散歩の途中で会ったヒトにもイヌにもチャコは愛想よく接してゐた。あまりのなつっこさと毛並みの美しさにみなびっくりする。イヌの散歩をしてゐると、いろんな人と立ち話ができるので楽しい。いろいろアドバイスももらえる。
チャコを引き取るまで、10年近く一人暮らしをしてゐた。後半は、どうもこれはいかんなと感じてゐた。なんでも自分ファーストになってしまって、なんだか自分のことばかり考えてゐるのがイヤになってきたのだ。いまは生活の基準がチャコになった。これでよいと思う。
・トイレがまだ完璧ではないので、誘導と褒美を徹底すること。
・留守番はケージに入れるか、フリーでも大丈夫か、時間はどのくらいか、調べること。
・愛情を注いで、警戒心を解除して、からだふき、ブラッシング、シャンプー、歯磨きなどできるようになること。
・信頼できる動物病院を見つけ、避妊手術を受けること。
このあたりが課題と目標だ。ひとつひとつ、時間をかけてやっていけば、そのうちなんとかなるだろう。
チャコ、よろしく頼むで🐶