「我在朝鲜最高学府留学,度过了魔幻与现实的193天」という題の文章を読んでゐる。
慧琦という名の中国人女子学生が、北朝鮮の最高学府である金日成総合大学に留学した。そのことを書いた留学記だ。その中にこんな記述がある。
我自己平时很喜欢散步,我记得有一次从大学旁边的商店走出来,天特别特别蓝,街道很干净,两旁的树高大笔直,非常绿,好像走在新海诚的动漫里。那条街是不通车的,很清净,因为金正日和金日成的遗体曾经从那条路经过。有一次,我往锦绣山太阳宫的方向走,当时听着音乐非常嗨,突然被街上的协管军人拦下了,他身上有枪,我当时吓得不行,说对不起我只是散步,然后他就跟队长转达了,也没有再为难我。那次我应该是超出了散步的规定范围,到了禁区。
翻訳する。
わたしは散歩をするのが好きだ。大学近くの店から外に出たことがあった。空はとびきり青く、道はとてもきれいで、両脇の街路樹は高くまっすぐに伸び、緑は濃い。まるで、新海誠のアニメの中にいるようだった。
その道には車がなく、清潔だった。というのは、かつてこの道を、金正日と金日成の遺体が通ったからだ。その時わたしはノリノリの音楽を聴きながら、錦繍山太陽宮殿の方に歩いていた。と、突然、監視員が立ちふさがった。彼は銃をもっている。
わたしはびっくりして「すみません、散歩していただけです」と言った。彼は隊長に報告に行き、その後わたしに何か言うことはなかった。あの時、わたしは散歩の許される範囲を超えて、禁止区域に来ていたのだった。
「君の名は。」「天気の子」の新海誠である。もちろんぼくも見てゐる。しかし、北朝鮮のことを書いた留学記を読んでゐるときに新海誠の名にでくわすとは思いもしなかった。この箇所に来たときに、一瞬、固まってしまったくらいだ。
え? という。金正日と金日成と新海誠が並んでゐるのである。驚いて、読み直し、理解して、いっぺんに心が晴れた。北朝鮮の空や道や木々は、新海誠が描く空や道や木々のように美しいのだ。
彼女が歩いたのは伝説的指導者が眠る霊廟へ続く道であるから、実際のところはかなり政治的に演出された、きわめて金王朝的な風景だと思う。しかし彼女は、その整頓された景色を美しいと感じ、「新海誠のアニメの中にいるよう」と書く。ぼくはその美しさをよく知ってゐる。
中国の学生が北朝鮮に留学して、その風景を「新海誠のアニメの中にいるよう」と書き、それを日本人のぼくが読み、不思議な感動に浸ってゐる。なんか面白いな。素敵な偶然に立ち会ったような気分だ。こういうことって、あるよね😉