手探り、手作り

樂しみ亦た其の中に在り

2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧

「身ぶりと言葉」アンドレ ルロワ=グーラン

「身ぶりと言葉」アンドレ ルロワ=グーラン ちくま学芸文庫 2012 600頁を超える大著であり、またかなり読みにくい文体なので、読了に相当な時間がかかった。こんなに難儀して読んだ本は久しぶりだ。ぼくの学力不足が一番だろうけれど、どうも原文そ…

「活きる」

「活きる」1994 中国 監督:チャン・イーモウ 出演:グォ・ヨウ、コン・リー ☟日本語の予告編は見つからず。 40年代の国共内戦、50年代の大躍進政策、60年代の文化大革命、に翻弄される家族の運命を描く。人間万事塞翁が馬という故事を思い出す。 …

「東京裏返し 社会学的街歩きガイド」吉見俊哉

「東京裏返し 社会学的街歩きガイド」吉見俊哉 集英社新書 2020 先日、友人と上野でランチをし、帰りに少しだけアメ横と上野公園を歩いた。そのとき「上野ってかなり面白いところなのでは?」という感触があり、上野近辺のことを知りたくなった。そうし…

「漢字世界の地平 私たちにとって文字とは何か」齋藤希史

「漢字世界の地平 私たちにとって文字とは何か」齋藤希史 新潮選書 2014 今年読んだ本の中でいちばん面白かった。音声言語と文字言語(書記言語)の関係について、これほど原理的で射程の広い議論を読んだことがない。これはかなり凄い本なのでは? 衝撃…

もう第4波なのか、、、

ついこの間まで第3波の渦中にあったと思ったら、もう第4波が来たらしい。驚いてゐる。いったいどうなってゐるのだろう。第3波ということが言われだしたのは昨年の11月だった。その波がどんどん大きくなって、今年の1月8日に緊急事態宣言が発出され、…

「漢文脈と近代日本」齋藤希史

「漢文脈と近代日本」齋藤希史 NHKブックス 2007 いろいろと蒙を啓かれた。感動した。 著者によれば、日本の知識階層のうちに素養としての漢文が定着したのは近世以降のことらしい。特に重要な契機となったのは松平定信による「寛政の改革」と、頼山陽の…

「ヒンドゥー教10講」赤松明彦

「ヒンドゥー教10講」赤松明彦 岩波新書 2021 図書館で借りてきて、ちょっと読んで、これは買うべき本だと思い直し、すぐに購入した。勉強になった。いよいよ面白くなってきた。 ノートをば。 ・「ヒンドゥー」という語は古代イラン語に最初に現れる。…