手探り、手作り

樂しみ亦た其の中に在り

2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

「ニッポンの思想」佐々木敦

「ニッポンの思想」佐々木敦 講談社現代新書 2009 80年代からゼロ年代までの「ニッポンの思想」を概説する。 スーパー面白かった。新書にしては厚いけれど一気読み。こういう本を書いてくださって多謝多謝。ぜひテン年代の以降の「思想」についても書…

膿の親

昨日、安倍晋三首相が辞意を表明した。 「病気と治療を抱え、体力が万全でないという苦痛の中、大切な政治判断を誤ること、結果を出せないことがあってはなりません。国民の皆様の負託に自信を持って応えられる状態でなくなった以上、総理大臣の地位にあり続…

「インド美術史」宮治昭

「インド美術史」宮治昭 2009 吉川弘文館 前にも書いたけれど、最近ひろい読みとか飛ばし読みができるようになって嬉しく思ってゐる。通読しないことへの抵抗がなくなり、平気な気持ちでページをすっとばすことができるようになった。 この本も通読はむ…

「朝鮮半島と日本の未来」姜尚中

「朝鮮半島と日本の未来」姜尚中 集英社新書 2020 半島両国への差別的かつ攻撃的な物言いがあふれかえる現在の日本の言説空間において、姜尚中氏の語り口の穏和と誠実は稀有のものだ。この稀有はどこからくるのか。 氏は「はじめに」において、朝鮮戦争…

「コロナ後の世界を生きる」村上陽一郎 編

「コロナ後の世界を生きる」村上陽一郎 編 岩波新書 2020 24名の小論を収める。拾い読み。 科学史の大家である村上陽一郎氏は1936年生まれ。Wikipediaによると9月が誕生日で84歳になる。この年齢でこういう瞬発力を要する仕事をするのはすごい…

「ジプシー 歴史・社会・文化」水谷驍

「ジプシー 歴史・社会・文化」水谷驍 2006 平凡社新書 カタックはフラメンコの起源である、あるいは、二つは共通の祖先をもつ、という説がある。☟のような動画を見ると実際よく似てゐる。 インドのジプシーがカタックの原型をつくった、あるいはカタッ…

「透明人間」

「透明人間」2020 米・豪合作 監督:リー・ワネル 出演:エリザベス・モス、オリヴァー・ジャクソン=コーエン 他 最高でした。最高すぎです。 はじめの一時間くらいはもうあんまり怖いので全身硬直させまくりで、来るんぢゃなかった~とか思ってたので…

「未来への大分岐」斎藤幸平 編

「未来への大分岐ー資本主義の終わりか、人間の終焉かー」集英社新書 2019 著:マルクス・ガブリエル、マイケル・ハート、ポール・メイソン、斎藤幸平 たいへん勉強になりました。 斎藤幸平さん、お若いのにすごい学殖。そして、ヒューマニズムへの深い…

稽古は愉快を以て旨とすべし

今日の稽古はとても楽しかった。 左足の踏み込みに関していい感触をつかんだ。やはり毎回なにがしかの挑戦があり、発見があり、成長がある、というのがのぞましい。 それはとても楽しいことだ。 「稽古は愉快を以て旨とすべし」という言葉はけっこう昔に内田…

「神話と芸能のインドー神々を演じる人々ー」鈴木正崇 編

「神話と芸能のインドー神々を演じる人々ー」鈴木正崇 編 山川出版社 2008 拾い読み。カタックについての言及はほぼない。 以下、目にとまった箇所をメモ。 総論 神話と芸能のインド 鈴木正崇 (・・・)芸能にあたるサンスクリット語はサンギータであろ…

「宇宙を映す身体ーアジアの舞踊ー」宮尾慈良

「宇宙を映す身体ーアジアの舞踊ー」宮尾慈良 新書館1994 バリ、インドネシア、タイ、台湾などと伝統舞踊についてかなり詳しい記述がある。それらの舞踊が、題に示してゐるとおり、民族の宇宙観や精神世界を表現してゐるのだという。そういうところが伝…

「街場の日韓論」内田樹 編

「街場の日韓論」内田樹 編 晶文社 2020 本書の前書きは内田樹さんのブログに公開されてゐる。(こちら) いま日韓関係は僕が知る限り過去最悪です。もっと関係が悪かった時代もあるいは過去のどこかの時点にはあったのかも知れませんけれど、僕の記憶する限…