「世界がわかる宗教社会学入門」2006 ちくま学芸文庫
ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、仏教、儒教について、わかりやすく解説されてゐる。
個人的には仏教についての記述が一番面白く読んだ。情報量が多いから一読ではとうてい把握できない。
また「尊王攘夷とはなにか」という章もあり、儒学が明治維新において果たした役割などが書かれてゐて、啓蒙されることしきりだった。
文庫版あとがきに、次のようなことばがある。
本書について「簡単すぎる」「知っていることが多い」という評を目にする。
それでよいのである。
本文を、繰り返し声に出して読んでほしい。そして、まるごと暗記してほしい。そういう目的で書いたのだから。
「簡単すぎる」とか言ってる人、ウソでしょ。
たしかに、書かれてあるのは基本的なことだけれど、簡単すぎるってこともないと思うなあ。
この本に書かれたあることを全部頭に入れるというのはそれだけで大変なことだよ。
外交官とか、外務大臣になるような人は、それこそ暗記するくらいの覚悟で読まなければならないだろうけれど。
本書で紹介されたり引用されたりしてゐる本に面白そうなのがたくさんある。
そういう意味で読書案内としても優れてゐるなと思った。
いつ読めるやら。
橋爪先生ほんとすごいなあ。