生活の芸術

正しいことをひかえめに言う練習

「フィフス・エレメント」

フィフス・エレメント」1997

監督:リュック・ベッソン 主演:ブルース・ウィリス、ミラ・ヨヴォヴィッチ

 

 アマゾン・プライムで鑑賞。10数年ぶりかしら。

 はじめに映画とは関係のない話を。

 この記事を書こうと思ってはじめて気になったことなのだけれど、ミラ・ヨヴォヴィッチの表記が一定してゐないようですね。アマゾンやウィキベディアでは「ミラ・ジョヴォヴィッチ」とあり、これが一番多いのかも知れないけれど、「ミラ・ジョボビッチ」も多いし、「ミラ・ジョボヴィッチ」もあった。

 ウィキペディアによれば、本人としてはウクライナ語の発音である「ヨヴォヴィッチ」と呼んで欲しいそうだ。

活動の場がアメリカである為アメリカ読みの「ジョヴォヴィッチ」と呼ばれる事が多いが、出生地キエフでのウクライナ語発音は「ヨヴォヴィッチ」である。本人も気にしていて自己紹介をする時は「ヨ」を強調して発音する事が多い。 また『バイオハザード』 のDVDオーディオコメンタリーでは共演者に対し「ヨヴォヴィッチが正しい発音なの」「ヨヴォヴィッチと呼んでよね」などと自己紹介の際に強調を繰り返し、名前の発音についての拘りを印象付けた。

 確かに、バイオハザードのCMで「ハーイ、アイム、ミラ・ヨヴォヴィッチ」と言ってゐるのを聞いたことがある。

 まだ日本語表記が定まってゐないようだから、ぼくはここでは本人の意向を尊重して、ヨヴォヴィッチと記することにする。せっかくの表音文字なのだから、少しでも原音に近いほうがよいと思う。

 

 さて、「フィフス・エレメント」である。

 凄い退屈だった。何故だろう。昔見た時はけっこう楽しんだと思うのに。

 

 いいところは、ブルース・ウィリスがやたらにカッコイイところ。ぼくは彼のファンだから基本的にいつでも全肯定だけれど、90年代が一番カッコイイと思う。マッチョだけど、チャーミングで、セクシーで、キュート。彼が画面に出てゐるだけで「ああ映画っていいな」という気持ちになる。

 

 あとエリック・セラの音楽も楽しい。みんな同じ感想をもつと思うけれど、オペラシーンは格別にいい。あのシーンは忘れられない印象を残す。

 悔しいかな、ぼくは巻き戻して(デジタル時代には消えてしまった表現かしら)一緒に歌ってしまった。「なんちゅー旋律や!」ってなる。

  

 あとは全体的にダメだった。ぼくの感覚が変なのだろうか。とにかくデザインが総じてダサイと思った。「ダサくて楽しい」というのがB級映画なのだと思うけれど、「フィフス・エレメント」はダサいだけだと思った。

 宇宙人もメカニックもすごくダサい。ギャグも滑ってるし、クリス・タッカーはやかましいし・・・

 リュック・ベッソンのハリウッドに対する嫌がらせなのではないかとさえ思えてくる。「こういうの面白いんでしょ?」みたいな。違うか。

 嫌がらせはいいすぎかもしれないけれど、壮大な悪ふざけであることは間違いないと思う。それが楽しいと感じる人には、たいへん愛らしい映画になるんだろうと思う。

 

 今のジェンダー意識から見ると、ミラ・ヨヴォヴィッチの描きかたはちょっと気持ち悪いと感じた。地球語の話せない、美しく、セクシーな、完璧な女が空からふってきて、男の目を気にせずに服を着替えたりする感じ。

 ちょっとなあ。

 けれどミラ・ヨヴォヴィッチが素敵なのは疑いようのないことで、当時のリュック・ベッソンは彼女への愛を、この悪ふざけ映画で表現したということなんだろうな。