するってぇとナニかい

ー半島情勢を中心にー

文在寅さん、それはちょっと・・・。

 年末入ってきた重要ニュースを確認しておく。

 日本政府が敵基地攻撃が可能な巡航ミサイルの導入を決定したといふニュース。

https://mainichi.jp/articles/20171222/ddm/003/010/077000c

 政府は航空自衛隊の戦闘機に搭載する長射程巡航ミサイルを導入する方針を決め、22日に閣議決定する2018年度予算案に関連経費約22億円を計上した。新たなミサイルは日本から北朝鮮に届く性能を持ち、敵基地攻撃にも転用が可能。来年の通常国会で、国の基本政策である「専守防衛」との整合性を問われることとなる。

 安倍政権は「戦争できる国になるたい」といふ悲願のために北朝鮮危機を利用し、東アジアの危機を煽り、日本をどんどん戦時モードに改造しつつある。彼とその支持者達は日本人のアイデンティティ・クライシスを「軍事力を背景として他国に対して毅然とした態度で望むこと」により克服できる、又、したいと考へてゐるらしい。

 さういふ人たちにとっては北朝鮮危機は好都合であり、中朝露VS米韓日の溝が深まることが自身を高揚させる劇薬のやうな効果を発揮するのだらう。

 が、彼等の弱い自我とそのろくでもない世界認識は東アジアの平和には一切寄与しない。南北朝鮮は分断されたままであり、冷戦構造が存続する。

 日本は沖縄に基地を押し付け、軍事的な属国であることから目をそらしながら、米国との一体化(と称する自主的隷属)を深化させることになるのだらう。さうして国内の良識派に対して「反日」といふレッテルをはり多様性を圧殺しにかかる。それが現在進行中の安倍政治である。

 ぼくは彼等とはまったく別の考へを持ってゐる。

 日本は南北朝鮮の平和的統一に尽力すべきである。そしてその誠実と献身を通じて、かつて日本が犯した過ちへの償ひとすることができるはずだ。

 朝鮮統一への機運が高まれば、必ず在韓米軍撤退の話が出てくる。いや、そもそもそれが前提条件となる可能性が高いが、ぼくはその際、在日米軍も同時に撤退或いは縮小するといふ方向で交渉すべきだと思ふ。

 つまり朝鮮統一に尽力することで、日本と南北朝鮮が真の友好関係を樹立し、日韓協働で米国のアジアにおけるプレゼンスを低下させることを通じて、現在の隷属状態を終結させる。さうして日本と統一朝鮮が緊密に連携しながら米中両大国の間でうまくその身を御してゆく。

 長期的なスパンで見れば中国の勃興と米国の衰退は止められないやうに見える。そしてその過程はおそらく進んだり戻ったりが繰り返される、ジグザグの道となるだらう。とすれば、両大国に挟まれた中規模国家である日本と南北朝鮮は、米中の間にあって互ひに協力してバランスを取ってゆく必要があるぢゃないか。

 さうすべきだ。さうして東アジアの冷戦構造を終はらせて新秩序を構築するべきなんだ。日本人がアイデンティティ・クライシスを乗り越えられるのはその時だとぼくは思ってゐる。

 さて、米国のティラーソン国務長官から嬉しい発言があった。

japanese.yonhapnews.co.kr

 ティラーソン米国務長官は12日、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮との対話と関連し、「米国は前提条件なしで北朝鮮との最初の対話をする用意がある」と述べた。首都ワシントンの討論会で講演した後、北朝鮮との対話の条件を問われて答えた。

 トランプ米政権はこの間、米朝対話の条件として北朝鮮が非核化の意思を示すことや核実験・ミサイル発射を停止することを求めていたが、ティラーソン氏はこれらの条件をいったん引っ込め、交渉着手に向けた無条件の会合が可能だと「破格の提案」をした格好だ。

 ひとまず米朝が対話のテーブルに着き、それから「非核化ロードマップ」をつくって北朝鮮核問題の解決策を講じようというもので、この提案は北朝鮮の核戦力完成を目前にした危機状況の解決において重大な分水嶺(れい)になりそうだ。トランプ政権発足後、米国が公の場で前提条件なしの米朝対話に言及したのは今回が初めてとなる。

 この発言のあと、国務省の報道官が「長官は新たな政策を打ち出してはいない。われわれの政策は、これまでと完全に同じままだ」と述べて火消しを行った格好だが、ぼくは米国内部から「前提条件無しでの対話」を訴へる声があがったことを純粋に喜びたい。 

 次も喜ばしいニュース。

japan.hani.co.kr

 韓国が平昌(ピョンチャン)冬季五輪が終るまで韓米連合軍事演習を延期しようと米国に要請したと、ファイナンシャルタイムズが11日報道した。

 同紙はワシントンの消息筋4人の話を引用して、韓国が来年度の韓米合同演習であるキーリゾルブ演習・トクスリ(鷲)演習を、来年3月18日に終わる平昌パラリンピック以後に延期することを望むと明らかにしたと報道した。消息筋のうちの2人は、米国もこれを受け入れそうだと伝えた。

  続いて、米国が新安保戦略を策定といふ記事。

japan.hani.co.kr

 ドナルド・トランプ米国行政府が18日(現地時間)、発足11カ月ぶりに新しい国家安保戦略報告書を発表した。北朝鮮とイランを「ならず者政権」と規定しながらも、「先制攻撃」や「予防戦争」に関する明示的言及はしなかった。

 ホワイトハウスは同日発表した報告書で「我々は北朝鮮の侵略に対応して圧倒的な力で対応する準備ができている」としながらも、「朝鮮半島の非核化を導くための方策を発展させていく」と明らかにした。北朝鮮が先制的に米国や同盟国を攻撃する場合に限り、自衛権のレベルで武力を使用し、そうでない場合は制裁と対話など、様々なオプションの可能性を残していく方針を示したものと見られる。

 特に今回の報告書が、ホワイトハウスのハーバート・マクマスター国家安保補佐官が「外交が失敗すれば予防戦争または先制攻撃が必要かもしれない」と言及したにもかかわらず、「先制攻撃」と「予防戦争」という言葉を使用しなかった点にニューヨークタイムズは注目した。ブッシュ政権時代に発表された2002年の国家安全保障戦略報告書は、「予防戦争」を含め先制的な軍事行動を正当化する内容を盛り込んでおり、それから6カ月後のイラク侵攻の根拠となった。

 そして以下がそれに対する北朝鮮の反応。

http://www.naenara.com.kp/ja/news/?0+100689

 朝鮮外務省のスポークスマンが、米国が18日にいわゆる「国家安保戦略報告書」なるものを発表したことで22日、それを糾弾する談話を発表した。

 談話は、トランプ行政府が作成、発表した「国家安保戦略報告書」はそれこそ全世界を米国の利益に徹底的に服従させようとするヤンキー式ごう慢さの代表的所産であり、火の元をつついてそれから漁夫の利を得たりするトランプの強盗さながらの本性がありのまま盛り込まれた犯罪的な文書であると暴露した。

 また、これを通じてトランプ一味が唱える「米国第一主義」がすなわち、世界を自分の好みに合わせて意のままに治めるという侵略宣言であることが如実にさらけ出されたとし、次のように強調した。

 米国で行政府が交替され、それによって外交安保政策がいろいろと変化するが、力で世界制覇を実現し、特にわが国家を圧殺し、全朝鮮半島をそのための前哨基地につくろうとする米国の戦略的目標には少しも変わりがない。

 われわれは、朝鮮半島の平和と安定を守り、米国の核威嚇・恐喝と敵視政策に終止符を打とうとする意図から、過去の20余年間、米国と双務会談も行い、4者会談、6者会談など複数の形態の多者会談も行って幾つかの合意文も採択した。

 しかし、歴代米行政府はわれわれが「崩壊」するという愚かな想定の下に、われわれとの全ての合意を弊履のごとく捨て、はては「ならず者国家」「悪の枢軸」「暴政の前哨基地」「核先制攻撃対象」に仕立ててわれわれを圧殺するための全方位的な核威嚇・恐喝と制裁・圧迫策動に狂奔してきた。

 米国の増大する敵視策動と核威嚇・恐喝に立ち向かってわれわれは、自主権と生存権、発展権を守るために核を保有する道を選択するようになったし、朝鮮半島恒久平和保障のための唯一の方途は米国と実際の力のバランスを成す抑止力を備えることにあるということを確信している。

 国際社会は、朝鮮半島であくまでも核戦争の火の元をつつき、力でわれわれを併呑してみようとするトランプ一味の企図に警戒心を高めるべきであり、自分の腹黒い下心を覆い隠して世界を愚弄しようとする対話うんぬんの真意をはっきり見抜くべきであろう。

 トランプ一味が世界の超大国のように威張っているが、米国こそ墓に行く屍である。

 続いて、米国が対北朝鮮軍事作戦の策定を急いでゐるといふ記事。

www.jiji.com

 21日付の英紙デーリー・テレグラフは、トランプ米政権が核・ミサイル開発を続ける北朝鮮に対する限定的な軍事作戦計画の策定を急いでいると報じた。北朝鮮問題の解決に外交的手段は機能しないとの懸念が強まる中、米政権は一般的に考えられている以上に軍事行動の可能性に傾いており、そのための準備が過去数カ月間で「劇的」に進んだという。
 複数の元米当局者、現職の政権関係者らの話として伝えた。新型ミサイルの試射が行われる前に発射施設を破壊したり、武器の貯蔵施設を標的にしたりすることが想定されている。 
 軍事行動の狙いは、米国が北朝鮮による核開発の阻止に「本気」であることを示し、北朝鮮を交渉の場に引き出すことにあるとされる。

 一方、安倍首相は15日、防衛政策の基本方針を示す防衛計画の大綱について、「従来の延長線上ではなく、真に必要な防衛力のあるべき姿を見定めていきたい」と述べ、年明けから見直しの議論を始めることを示した。以下はそれに対する北朝鮮の反応。

http://www.naenara.com.kp/ja/news/?19+4740

 日本当局が「周辺脅威」に取り上げて2018年の年明けから「防衛計画の大綱」見直しのための論議を本格化すると公言した。

 首相の安倍と防衛相の小野寺は、「北朝鮮が核・ミサイル開発を大きく進展させ、中国は軍事力を増強し、ロシアも北方での活動を活発化させている」とし、「真に必要な防衛力のあるべき姿を見定めたい」と言った。

 言わば、われわれと中国、ロシアの「脅威」から「国民を守るために」防衛計画を全面見直し、修正すべきだということである。

 やはり、島国一族特有の意地悪な気質はどうしようもない。

 国際社会が罵倒するように、他人に食い下がって自分の利益をむさぼるのは日本の悪習である。

 人類に非難されている20世紀の血なまぐさい侵略蛮行についてまで西欧帝国主義からアジアを解放するためであったと強弁を張る破廉恥な日本であると思うと、どんなほらでも吹くであろう。

 日本が追求する究極の目的は、敗戦国、戦犯国として交戦権はもちろん、軍事力も持てないようになっている「特殊の国」から戦争を行える「普通国家」になってまたもや海外侵略に出ようということである。

 その実現のための「合法的名分」に「周辺脅威」云々を持ち出している。

 安倍一味はすでに、2013年末に日本を取り巻く安全保障環境の悪化を云々し、「安全保障」の重点を国内安全から「国際安全」に拡大した「防衛計画の大綱」を作成した。

 ここでわが国を「重大な不安定要因」に規定し、朝鮮の「弾道ミサイル」に対する「対処能力の総合的な向上」を図り、「自衛隊」武力に機動展開能力と共に海兵隊の機能を付与するということなどを明記した。

 これによって軍国化と再侵略の道に障害となる政策的、法律的障害物を一つ一つ除去して軍事費を大幅増強し、「自衛隊」の海外軍事作戦範囲を拡大した。

 朝鮮半島有事の際に介入する名分と軍事的条件も完備した。

 最近は、「敵基地攻撃能力」の保有と地上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の導入に狂奔する一方、中国とロシアの縦深地域まで打撃圏内に入れた射程1000~5000キロの中距離弾道ミサイル保有について騒ぎ立てている。

 問題は、今後10年程度の防衛力整備指針になるとしていた「防衛計画の大綱」をなぜ繰り上げて修正する劇を演じるかということである。

集団的自衛権」行使の容認と米国産兵器購入の増加、日米協力などの問題が今回の見直しの焦点になるという事実が日本の下心を如実に見せている。

 これは今後、日本がわれわれと周辺諸国にかこつけて侵略準備をいっそう促すということを宣言したこと同様である。

 日本が折に触れて騒ぎ立てる「周辺脅威」云々は、軍事大国化へ突っ走る自分らの犯罪的正体に「合法」のベールをかぶせて海外膨張に公然と乗り出すということとして、再侵略の前奏曲に違いない。

 過ぎ去った歴史は、列島で「周辺脅威」云々が引き続き響き出るほど、それだけ日本の右傾化、軍国化が急速に進められ、再侵略熱気が高まるということを示している。

 国際社会は、他人にかこつけて侵略の刀を研ぐ日本の動きを警戒心を持って対すべきであろう。

 いつもながら見事な文章で唸ってしまふ。後半「侵略準備」のくだりは誤りだがあとはだいたい同意せざるを得ない。「やはり、島国一族特有の意地悪な気質はどうしようもない。」には笑ってしまった。なんといふか、その文才が別の方向に生かされればいいのに・・・と、思ふ。

  さて、ここから先は慰安婦問題・日韓合意に関して。

 27日、韓国外交部直属の「慰安婦合意検討タスクフォース」が、2015年に韓政府が結んだ慰安婦合意は被害者中心ではなかったという要旨の報告書を出した。

japanese.joins.com

 康京和(カン・ギョンファ)外交部長官直属の「韓日日本軍慰安婦被害者問題合意検討タスクフォース(TF)」が27日、合意の過程に問題があると指摘したうえに、政府が将来「被害者の意見聴取」を重要な手続きとして提示することで12・28慰安婦合意の運命もめどが立たなくなった。 


  TFはこの日、報告書を通じて「協議の過程で被害者の意見を十分に聴かず、政府の立場を中心に合意を妥結させた」として「今回の場合のように被害者が受け入れない限り、政府の間で慰安婦問題の『最終的・不可逆的解決』を宣言したとしても問題は繰り返されるしかない」という結論を下した。 


  前日、康京和外交部長官は記者会見で「TF結果を十分に受け入れる一方で、この問題の直接的な当事者である被害者、支援団体との疎通を通じて(政策を)確立することになるだろう」としながら「すべてのオプションを開いておいて被害者の方々と疎通しなければならないと考える」と話した。康長官が言及した「すべてのオプション」には合意の補完や破棄も含まれるほかはない。被害者の意見が最も優先されなければならないという現政権の方針を考慮するなら、排除することはできない選択肢でもある。 

 翌28日、上記報告書を受けて文大統領は「この合意で慰安婦問題が解決されないという点を今一度明確にする」と述べた。

japanese.yonhapnews.co.kr

 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は28日、旧日本軍の慰安婦問題を巡る2015年末の韓日合意について「政府間の公の約束という負担があっても、私は大統領として国民と共に、この合意で慰安婦問題が解決されないという点を今一度明確にする」と述べた。合意を検証してきた外交部長官直属のタスクフォース(TF、作業部会)による前日の検証結果発表後初めての立場表明を、青瓦台(大統領府)の朴洙賢(パク・スヒョン)報道官が会見で伝えた。合意で慰安婦問題は解決されないと明言したことで、合意の再交渉または破棄の可能性を示唆したといえそうだ。

 文大統領は「慰安婦問題に関する2015年の韓日政府間の交渉は、手続きとしても内容でも、重大な欠陥があることが確認された。遺憾ではあるが、避けて通ることはできない」と述べた。この合意を「歴史問題の解決において確立された国際社会の普遍的な原則に反するだけでなく、何より被害当事者と国民が排除された政治的な合意だった」とし、「現実であることが確認された『非公開合意』の存在は国民を大きく失望させた」と指摘した。

  ぼくは安倍政権を歴史改竄主義集団だと認識してをり、この問題に関しても誠実に向かひあってゐないと考へてゐる。

 2015年の日韓合意以降の経過において、韓国国民を最も傷つけたのは安倍首相の「毛頭ない」発言であらう。

 2016年、首相は衆議院予算委員会において慰安婦問題に関する日韓合意以降、韓国政府が安倍首相からのお詫びの手紙を求めてゐるやうだが、この件についてどう考へるか」との野党議員からの質問に対し、「我々は毛頭考へてゐない」と答へてゐる。

 この発言は韓国メディアで大きく報じられた。「毛頭」といふ語彙の選択から安倍が慰安婦問題に対して抱いてゐる嫌悪感を知ることができる。安倍は「ウルセエ」「いつまで文句つけんだよ」と思ってゐるのだ。

 本質的な問題はさうした態度にあるだらう。日韓合意には以下の文言がある。

 慰安婦問題は,当時の軍の関与の下に,多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり,かかる観点から,日本政府は責任を痛感している。
 安倍内閣総理大臣は,日本国の内閣総理大臣として改めて,慰安婦として数多の苦痛を経験され,心身にわたり癒しがたい傷を負われた全ての方々に対し,心からおわびと反省の気持ちを表明する。

 慰安婦は「心身にわたり癒しがたい傷」を負ったのである。その方々に手紙を書く気は「毛頭ない」と言ふ。心から反省してゐる人間の言葉ではない。

 結局のところ、日本に慰安婦問題を「ウルセエ」と思ってゐる人がたくさんをり、さういふ人が政権を握ってゐる以上、この問題は解決しないやうに思ふ。

 以上のとほりぼくは安倍政権に批判的なわけだが、今回の韓国政府の発表は頂けない。

 これは単に朴政権が慰安婦と意思疎通してゐなかったといふこと、そして外交交渉能力の欠如を示すだけではないだらうか。そして前政権の行った政府間合意の再交渉及び破棄を示唆することは、文政権の国際的な信頼を損ねることになるのではないだらうか。

 ぼくは中央日報の社説に同意するものである。

japanese.joins.com

 2015年締結された韓日両国の旧日本軍慰安婦合意を認めないという文在寅(ムン・ジェイン)大統領の昨日の発表に深い懸念を隠せない。廃棄、または再交渉を具体的に明らかにしたわけではないが、おそらく合意破棄の可能性を示唆したものだからだ。文大統領は「両国首脳の追認を経た政府間約束という負担にもかかわらず、この合意で慰安婦問題が解決されることができないという点を明らかにする」とした。これは前日、河野太郎外相が「民主的に選ばれた首脳の下ですべてのレベルの努力の末に実現した合意」だったことを強調した談話に対する回答で、今後国家間約束を破ったすべての責任を韓国が負うと自ら認めることに他ならない。 

  青瓦台(チョンワデ、大統領府)側が来年初めに発表すると話した追加措置が何かによって、ただでさえ冷え込んだ韓日関係はより一層厳しくなるだろう。河野外相はすでに数日前「合意を変更するなら、両国関係が管理不能になるだろう」と警告し、安倍晋三首相も「合意は1ミリも動かないだろう」と話した。外交街では「今後最低限2年間は韓日両国の間に何も実現されることがないだろう」という嘆きが聞こえる。 

  慰安婦問題は日本がいくら謝罪をして、いかなる代価を払っても国民的怒りがすべて消えることは難しい過去だ。そのため、朴槿恵(パク・クネ)政府もこの問題解決を韓日首脳会談に結びつけて4年近く会談ができないほど韓日関係は冷え込んでいる。そうするうちに、北朝鮮による核・ミサイル危機が深刻化し、両国の連携が切実だという判断の下で両国が一歩ずつ歩み寄って合意に至ったわけだ。日本が拒否してきた首相の公式謝罪と日本政府の予算としての慰安婦財団の設立も初めて実現された。「日本側に一方的に偏った合意」というのがTF(タスクフォース、作業部会)の判断だというが、手続き的欠陥を理由に合意を覆し、未公開文書を公開して世論を刺激する行動は相手国の不信を招くのに十分だ。その上に、TFが強調している「被害者中心主義」の基準が何か、TFはもちろん、政府をも明らかに答えていない。また、慰安婦合意は当時、韓日間対立が高まっていた状況を懸念した米国が斡旋した側面もあり、ややもすると米国と不快な関係につながる可能性もある。  

  合意そのものを再交渉したり破棄することは難しい。今年の5月に来日した韓国特使の文喜相氏は「第3の道が必要」と語ってゐた。

www.nikkei.com

 韓国大統領府は15日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が与党「共に民主党」の文喜相(ムン・ヒサン)議員を特使として日本に派遣すると発表した。文議員は当選6回の党の重鎮で2004~08年に韓日議員連盟の会長を務めた。日本政府と調整して日程を決める。

 KBSテレビによると、文議員は従軍慰安婦問題に関する15年の日韓合意について「破棄や再交渉ではない『第3の道』が必要だ」と述べた。具体例として、慰安婦問題への旧日本軍の関与と強制性を認めた1993年の河野洋平官房長官談話を挙げ「韓日は『河野談話』のような大きな政治的合意で懸案を解決してきた」と指摘した。

 安倍政権が歴史と真摯に向き合ってゐないのは間違ひないにしても、再交渉も破棄もできないだらう。両国民が時間をかけて「第3の道」を模索するしか方法はないと、ぼくは思ふ。