するってぇとナニかい

ー半島情勢を中心にー

治癒不能の精神病者

 今週の半島関連ニュース。

 まづは朝鮮中央通信が11月1日は発表した論評「言葉で虚勢を張る時ではない」から。

Naenara-朝鮮民主主義人民共和国 

 好戦的で責任を負えない下品な言葉をむやみに吐くことで有名になったトランプの口がまた何かしでかした。

 数日前、フォックス・ニュースとのインタビューで、トランプは米国が「北の挑発」に対して信じられないほど完全に準備されているとし、どれほどよく準備されているのかを知るようになれば「大きな衝撃」を受けるだろうと大口をたたいた。

 平和を論じる国連舞台でまで主権国家に対する「完全破壊」という妄言を並べ立てて全世界の驚愕をそそったのを考えると、別に驚くべきことでもない。

 しかし、アジア訪問を控えてまたもやこのような忌まわしい言葉を吐いたことについて評せざるを得ない。

 おそらく、トランプとしては朝鮮を大きく脅かし、日本や南朝鮮のような手先らの士気をもり立てて「威勢」を張ろうとしているようだ。

 しかし、それはトランプが朝鮮のためにとても悩んでおり、窮地に追い込まれているということを実証するだけである。

 今、トランプは「暴風前の静寂」「ただ一つの効果的方案」などの朦朧(もうろう)とするほらを吹き、朝鮮半島水域に原子力空母打撃団をはじめとする膨大な戦略装備を投入する一方、対朝鮮制裁・圧迫へと全世界をせき立ててあらゆるあがきをしているが、何の効果も見られずにいる。

 むしろ、世界の面前で核戦争狂信者の正体だけをあらわにして「治癒不能の精神病者」という診断だけを受けた。

 先日、米CNN放送が関係機関に依頼して施行した世論調査によると、応答者の63%がトランプの対朝鮮政策が「緊張を高調させる慎重でないもの」と非難した。

 米政界でトランプが朝鮮問題から手を引かなければならないという主張が強く出て、対朝鮮専門家らは数十年間にわたって解決できなかった「北の核問題」をトランプが即興的な幾つかの単語で解決しようとしているとし、朝鮮との対決は能力と判断力を備えた大統領にも非常に難しい挑戦となるが、トランプがその役を演じるにはあまりにも無能であると評している。

 このような分際で、「完全準備」「大きな衝撃」などと言って大きな事でもなすかのように振る舞うのを見れば、確かにトランプには精神医学上の助けが絶対的に必要であるようだ。 

  北朝鮮にはなかなか優秀な作家がついてゐるやうだ。これだけ悪口を言ひ続けるといふのもなかなか凄いことである。

 「治癒不能の精神病者」と北朝鮮に言はれてしまったトランプ大統領だが、米国内においても「こいつにまかせておいたらヤバイかも」といふ声が高まってきてゐる。

北朝鮮先制攻撃禁止を=法案を提出-米民主党:時事ドットコム

 米民主党上院議員ら8人は31日、米国に対する差し迫った脅威がない状況で大統領が議会承認なしに北朝鮮への先制攻撃を決定することを禁止する法案を議会に提出した。ただ、議会で多数を占める共和党議員の賛成を得て採決できるかは不透明だ。
 法案は、トランプ大統領の北朝鮮に対する強硬的な発言を念頭に「好戦的な言動によって、(米朝)双方が計算違いを犯す危険性を高めている」と指摘している。

  採決できるかは不透明とのことだが、もしこれが可決されれば大変意義深いことだ。北朝鮮も、少なくとも上記のやうな激烈なコメントは出せないし、関係改善が進むことは間違ひないだらう。

 そのトランプの支持率は過去最低を更新したらしい。

トランプ氏支持率が最低更新=北朝鮮政策に不安も-米世論調査:時事ドットコム

 米紙ウォール・ストリート・ジャーナルとNBCニュース(ともに電子版)は29日、トランプ大統領の支持率が38%と前月比で5ポイント低下し、就任後最低に落ち込んだとする世論調査結果を伝えた。不支持率は58%。支持率は就任間もない2月の調査で44%と最高を記録した後、おおむね4割前後で推移している。

 政策分野別に見ると、来月5日からの訪日で中心議題になるとみられる北朝鮮情勢への対応は、支持34%で不支持51%。不支持が半数を超えた背景として同紙は、トランプ氏が「北朝鮮との交渉模索を『時間の無駄』と断じるなど、強硬姿勢を示している」ことを挙げ、そうした態度に米国民が不安を覚えている可能性を示唆した。

 北の狙いについて韓国に亡命した元駐英大使が語ってゐる。

北朝鮮、在韓米軍撤収要求も=亡命公使が米議会証言:時事ドットコム

 北朝鮮の元駐英公使で昨夏に韓国に亡命した太永浩氏は1日、米下院外交委員会の公聴会で証言し、金正恩朝鮮労働党委員長は核兵器を搭載した大陸間弾道ミサイルICBM)が完成すれば、米韓合同軍事演習の規模縮小を求める交渉を始め、「最終的には米軍の朝鮮半島からの撤収を要求するつもりだ」と指摘した。

 太氏は、米国が要求に応じなければ、金委員長は核戦争の脅威をあおり、米軍撤収を受け入れさせようとするだろうと強調。さらに、米軍が撤収すれば韓国から外国の投資が引き揚げられ、韓国の体制に打撃を与えられると金委員長は信じていると述べた。

 米議会調査局の報告書によると、取り得る朝鮮戦略の一つにその在韓米軍撤退も入ってゐる。

対北朝鮮で七つの選択肢=抑止力強化や限定空爆-米議会調査局:時事ドットコム

 米議会調査局は1日までに、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮への米国が取り得る対処方針として、弾道ミサイルの迎撃や核施設への軍事攻撃を含む七つの選択肢を提示した報告書をまとめた。公開情報を基に議員のための参考資料として作成したもので、政権が検討している選択肢と同一ではないと断っている。

 報告書では、経済制裁や外交圧力で北朝鮮に核放棄を迫る「現状維持」、日韓両国への部隊増派などを通じた「抑止力強化」、北朝鮮が発射した弾道ミサイルを撃ち落とし、実験データを得られなくすることで技術向上を妨げる「能力獲得阻止」を選択肢として挙げた。
 北朝鮮本土への直接的な軍事行動としては、大陸間弾道ミサイルICBM)関連施設のみを空爆やミサイルで破壊する「限定的攻撃」に加え、核関連施設も対象にした「大規模攻撃」があると指摘。一方、金正恩朝鮮労働党委員長の殺害を含む体制転覆や、北朝鮮が核開発を放棄する見返りに、在韓米軍が撤退する選択肢も示した。

 北に対する制裁が着実に効いてゐるとの報道があった。

北朝鮮経済 制裁で90年代の食糧難より悪化も=韓国統一相

韓国統一部の趙明均(チョ・ミョンギュン)長官は30日、国際社会による対北朝鮮制裁が強化されていることに関して、北朝鮮の経済事情は1990年代に食糧難と経済難で数百万人ともいわれる餓死者が発生した「苦難の行軍」当時よりも悪化する可能性があると述べた。

趙長官はこの日ソウル市内で行った講演で「北が1990年代半ば、金日成(キム・イルソン)主席が死亡してから食糧難で非常に苦労したが、場合によってはその時より経済事情が悪化するかもしれないとみている」と述べた。

 THAAD問題で冷え切ってゐた中韓関係が改善の兆しを見せてゐる。

韓中、APECでの首脳会談の開催に合意…「シャトル外交」始動 : 政治 : ハンギョレ

文在寅(ムン・ジェイン)大統領と中国の習近平国家主席が今月10~11日、ベトナムのダナンで開かれるアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議をきっかけに、韓中首脳会談を開くことにした。昨年2月、朴槿恵(パク・クネ)政権が在韓米軍への高高度防衛ミサイル(THAAD)配備をめぐる韓米間の協議事実を発表して以来、急速に冷え込んだ両国関係が1年8カ月ぶりに回復段階に入った。韓中がTHAADをめぐる軋轢を収拾し、関係を正常化していくことで合意したことによる初の処置が、今後両首脳が両国を行き来しながら首脳外交を展開していく完全な関係復元につながるかに注目が集まっている。

(中略)

両国の足を引っ張ってきたTHAAD問題と関連しては、中国の憂慮と韓国の立場を認識し、今後は軍事当局間チャンネルを通じて中国側が懸念する問題について話し合っていくことにした。大統領府関係者は記者団に「THAADに関しては、両国がそれぞれの立場を表明し、そのまま封印したと言える」と説明した。

発表文で韓国政府は「韓国に配置されたTHAADはその本来の配備目的から第3国を狙ったものではなく、中国の戦略的安保利益を害しない」点を明確にした。中国政府は「韓国に配備されたTHAADに反対する」と明らかにしたうえで、「韓国側が関連問題を適切に処理すること」を求めた。両国ともTHAAD配備が事実上完了した現状況に基づき、両国の立場の相違を再確認しながらも、関係改善に向けた名分を立てたのだ。

(中略)

両国は発表文で、朝鮮半島の非核化の実現や北朝鮮核問題の平和的解決原則を再確認し、あらゆる外交的手段を通じて北朝鮮核問題の解決を持続的に推進していくことにも合意した。また、これに向けた戦略的疎通と協力をさらに強化していくことにした。両国政府が、北朝鮮の核問題で協力を通じた共同行動の幅を広げる方針を示したものと言える。特に、これに先立ち、核の解決策として「双中断」(北朝鮮核・ミサイル活動-韓米合同演習の中断)と「双軌並行」(朝鮮半島の非核化-朝米平和体制の並行)を提示した中国が、THAADをめぐる軋轢を収拾したうえで、北朝鮮核問題と関連して韓国政府との協力強化を図るものと予想される。

 それに関連して韓国のカン・ギョンファ外交部長官はTHAADの配備が韓米日三国同盟に発展しないことを名言した。

韓国政府、中国に「米国の前哨基地にはならない」約束 : 政治 : ハンギョレ

 カン・ギョンファ外交部長官は30日、THAAD(高高度防衛ミサイル)の追加配備と米国のミサイル防御(MD)に参加しないと明らかにした。また、韓米日3国の安保協力が、軍事同盟に発展しないという点も明確にした。これまで中国がTHAAD配備は韓米日軍事同盟を通した中国包囲戦略実現のための布石ではないかという憂慮を提起してきたことに対して、韓国政府が立場を明らかにする形で局面を切り替えようとしている。中国政府も待っていたように「歓迎」の立場を明らかにした。

(中略)

 カン長官は「韓米日3国安保協力は、北朝鮮の核・ミサイル脅威に対する抑止力を増進し、実効的に対応するためのもの」とし「こうした協力が3国間の軍事同盟に発展しないことを明確に申し上げる」と答えた。

(中略)

 同じ脈絡で中国は、韓国のTHAAD配備をめぐり米国のミサイル防御(MD)体系に編入されるのではないかという憂慮を提起してきた。カン長官はこれに関連しても「韓国政府は米国のMD体系に参加しないという既存の立場に変わりはない」と再確認した。さらに「韓国政府はTHAAD追加配備を検討していない。明確に申し上げる」とも強調した。カン長官の発言は「THAAD配備と韓米日3角同盟で韓国が米国の対中国前哨基地になるのではないか」という中国の憂慮に対して、文在寅政府が公開的に線を引いて一種の約束をしたわけだ。

 11月1日、文在寅大統領は施政方針演説で朝鮮半島平和の五原則を発表した。

文大統領「いかなる場合も武力衝突は許されない」…朝鮮半島平和“5大原則”明らかに : 政治 : ハンギョレ

 その最初が「朝鮮半島の平和定着」だ。文大統領は「私たちが達成しようとするのは朝鮮半島の平和」だとし、「いかなる場合でも朝鮮半島武力衝突を起こしてはならない」と話した。さらに、「朝鮮半島大韓民国の事前同意のない軍事的行動はありえない」とくぎを刺した。依然として北朝鮮への「軍事的オプション」カードをもてあそぶ米国に向けたメッセージだ。ちょうど一週間後の8日にドナルド・トランプ米大統領が演説する予定の国会演壇でこのメッセージを掲げたため目を引く。米朝間の軍事的衝突の懸念が消えない現実を反映したことに加え、5つの原則のうちこれを一番最初に置くことで、文在寅政府が朝鮮半島政策の大前提を提示したものと解釈される。

 文大統領はさらに、「朝鮮半島非核化」原則を再確認した。彼は「南北が共同宣言した朝鮮半島非核化宣言に従い、北朝鮮の核保有国の地位は容認も認定もできない」とし、「私たちも核を開発したり、保有することはしない」と付け加えた。北朝鮮の6回目の核実験後、保守陣営が提起する戦術核再配備や独自核武装の主張に断固として線を引いたということだ。

 三つめの原則として、文大統領は「南北問題の主導的解決」を挙げた。大統領選候補時代から文大統領が強調してきた立場だ。文大統領は「わが民族の運命は自ら決定しなければならない」とし、「植民地や分断のように私たちの意思と関係なく私たちの運命が決定された不幸な歴史を繰り返さない」と力強く語った。続けて文大統領は「北朝鮮核問題の平和的解決」原則を提示した。米国が主導している国連安全保障理事会をはじめ、国際社会の対北朝鮮制裁と圧迫が「(北朝鮮を)対話の場に導くための手段」ということを再確認した。

 文大統領が明らかにした五つめの原則は「北朝鮮の挑発に対しては断固として対応する」ということだ。文大統領はこれに向けて「圧倒的な力の優位確保」と「堅固な韓米同盟」、「国際社会の協力」を約束した。これは、国防予算増額の方針につながった。文大統領は「強い軍隊を作るために(国防予算を)2009年以降最高水準である6.9%増額して、防衛力改善予算案を10.5%大幅に拡大した」と明らかにした。また、「北朝鮮の脅威から国民を保護するため、韓国型3軸システム(キルチェーン、韓国型ミサイル防衛システム、大量応懲報復)を早期に構築する」と強調した。「力に基づく平和」を強調してきた文大統領の立場を反映したものであり、「南北関係改善を通じた平和」を追求した民主党陣営の従来のアプローチとは距離がある。

「いかなる場合でも朝鮮半島武力衝突を起こしてはならない」いふ言葉が安倍晋三の口から出る日は来るのだらうか。こないだらう。彼は危機が高まって権力が安定し憲法9条を改正しやすい雰囲気になることを望んでゐる。

 世論調査では「圧力重視」より「対話重視」が多くの支持を集めてゐるが、安倍首相は民意をくみとる人間ではない。

対北「対話重視」48%、「圧力重視」41% : 世論調査 : 読売詳報_緊急特集グループ : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

 読売新聞社は第4次安倍内閣の発足を受け、1日夕から2日にかけて緊急全国世論調査を実施した。

 安倍首相が重視する北朝鮮問題に関連し、国際社会が北朝鮮との対話と圧力のどちらを重視すべきかと聞くと、「対話重視」48%が「圧力重視」41%を上回った。同様の質問をした今年2、7、9月の各調査では「圧力」が多かったが、逆転した。

 今回調査では、男性で「圧力」50%が「対話」42%を上回ったが、女性は「対話」53%、「圧力」33%となった。内閣支持層では「圧力」、不支持層では「対話」が多数派だった。北朝鮮情勢が緊迫の度合いを増していることなどが影響した可能性がある。

 日本の「北朝鮮利用」対して文大統領は警戒感を示してゐる。

文大統領「韓米日軍事同盟への発展は望ましくない」 : 政治 : ハンギョレ

文在寅(ムン・ジェイン)大統領が3日「北朝鮮の核とミサイル挑発に対応するための韓米日3カ国協力が、軍事同盟レベルに発展することは望ましくない」と話した。さらに、「韓米同盟が何よりも重要だ」と述べながらも「中国との関係を確固たるものにするバランス外交をするつもりだ」とし、中国に積極的な関係改善のシグナルを送った。

 文大統領はこの日、大統領府の常春斎でシンガポールのニュース専門英語放送「チャンネルニュースアジア」(CNA)とのインタビューで「今、北朝鮮の核とミサイル挑発に対応して韓国と米国だけでなく、日本との協力も大変重要になった」とし、「しかし、それが3国の軍事同盟レベルに発展することは望ましくない」と述べた。そして「日本が北朝鮮の核を理由に軍事大国化の道を歩んでいくなら、それもアセアン諸国との関係では望ましいことではないと考える」と付け加えた。

 以上のやうな文政権の戦略に関しては、11月2日のハンギョレの社説がよくまとまってゐる。

文在寅政権、中国に約束した「3NO」守れるだろうか : 政治 : ハンギョレ

 最近の韓中関係復元の合意は、韓国がTHAAD(高高度防衛ミサイル)の追加配備を行わず▽米国のミサイル防衛(MD)に参加せず▽韓日米3カ国の軍事同盟にさせないという、いわゆる「3NO」を表明し、中国の安保憂慮を払拭させる形で行われた。しかし、朝鮮半島周辺の環境や各局の利害関係によって状況が変化する可能性もあり、政府の「3NO」の約束がどこに向かっていくかを速断するのは難しい。

 THAADの追加配備の場合、文在寅(ムン・ジェイン)政権で進められる可能性は高くない。文在寅政権の主要支持層でもTHAAD配備への反対意見が優勢だ。THAADはまた、40~150キロメートルの高い高度で敵のミサイルを迎撃するシステムであるため、休戦ラインと近い首都圏を防御できず、配備地域が朝鮮半島の南部地域に限定される。南部地域にはすでにTHAAD1個砲台が配備されており、追加配備を急ぐ理由はほとんどない。しかし、今後北朝鮮の核・ミサイルの脅威がさらに強まれば、様々な方法で追加配備への圧力が高まる可能性も排除できない。

 米国のミサイル防衛(MD)に参加しないという立場は、金大中(キム・デジュン)政権時代から堅持してきた政府の基本立場だ。米国が北東アジア地域にミサイル防衛を構築し、自国のミサイルの無力化を狙っていると疑っている中国に対する配慮からだ。その代わり政府は、M-SAM(中距離地対空ミサイル)とL-SAM(長距離地対空ミサイル)を国内開発し、独自の韓国型ミサイル防衛(KAMD)を構築するという立場を明らかにしてきた。しかし韓米は北朝鮮のミサイルが発射された場合に備え、ミサイルの探知・追跡情報などをリアルタイムで共有して効率的に迎撃するシステムの構築を急いでいる。韓日間のミサイル防御が情報交換を媒介に連動されるということだ。こうなれば、自然に韓国が米国のミサイル防衛に参加する手順を踏むことになるという指摘もある。

 韓米日3カ国の軍事同盟は実現の可能性がほとんどない。国民感情からして、日本と軍事同盟を結ぶことは想像できないからだ。しかし、韓米日3カ国の間の軍事協力は徐々に拡大・強化されている。韓米日3角軍事協力強化の流れは、2012年8月に李明博(イ・ミョンバク)大統領が独島を訪問したのに続き、2013年春に朴槿恵(パク・クネ)政権が対日強硬外交路線を採択したことで一時停滞していたが、2015年12月の韓日慰安婦の合意以降、韓日両国間の軍事外交が再開され、再び急ピッチで進められている。 

 韓米日3カ国海軍の連合、ミサイル警報訓練が昨年6月に初めて行われて以来、これまで5回に渡り開かれ、韓米日3カ国による合同海上救助演習(SAREX)も毎年実施されている。韓米日3カ国の合同参謀議長会議も2014年7月以降5回も開かれた。名分はいずれも北朝鮮の挑発だ。しかし、この流れの背景には、韓国を巻き込んだ韓米日3カ国協力体制で、中国の軍事的浮上を牽制しようとする米国と日本の一致した利害関係がある。今後、中国の力がさらに大きくなるにつれ、これを牽制するため韓米日3角軍事協力をさらに強化しようとする日米の圧力も強まる見込みだ。韓国が3カ国軍事協力の強化に向けた米日の圧力と、これに反発する中国の板挟みになり、再び苦しい立場に追い込まれる可能性もある。

 続いて、日本の属国性を証しするニュース。10月11日、沖縄東村高江における米軍ヘリ墜落事故への対応についてだ。

<社説>ヘリ飛行再開追認 弱腰やめ米軍と交渉を - 琉球新報 - 沖縄の新聞、地域のニュース

 東村高江に米軍普天間飛行場所属の大型輸送ヘリコプターCH53Eが不時着し炎上した事故で、防衛省は米軍の同型機飛行再開の判断を追認した。
 当初は「事故原因と安全が確認されるまで運用停止が必要だ」と飛行再開に強く反対していたが、米軍の説明を受けあっさりと容認に転じた。
 米軍の説明はこうだ。不時着の原因となった火災発生の理由は不明のままだが、今回は「固有」の事故である。機体の構造上の不具合に起因する火災だと判断する材料は初期調査では見いだせなかった-との言い分だ。
 詳細な原因も突き止め切れていないのに、事故機固有の問題と決め付けるのは早計ではないか。
 日本政府も、飛行再開を急ぎたいがための米軍の釈明をうのみにしてはいないか。
 衆院選公示翌日の事故とあって、今回、政府は珍しく迅速に動いた。事故当日に防衛省と外務省が米当局に「強い申し入れ」をした。小野寺五典防衛相は在日米軍副司令官を呼び、原因究明までの同型機の運用停止を求めた。さらに、自衛隊の同型機のパイロットや整備員を現場に派遣し調査に当たらせた。
 従来より踏み込んだ対応に映るが、米軍への「圧力」にはならなかった。一国の大臣の要請にもかかわらず、米軍は無視し早々に「運用停止は96時間」と期限を切った。
 飛行再開に当たって、小野寺防衛相は「在沖海兵隊が一方的に発表したことは極めて遺憾だ」と異例の強い非難をした。だが、これも選挙向けだったのか、実際に直接抗議することはなかった。
 23日にはフィリピンでマティス米国防長官と会談したが、ここでも抗議せず、絶好の機会を自ら捨てた。米国にモノを言えない属国ぶりをうかがわせる場面だった。
 今回の追認でも、小野寺防衛相は「自衛隊の知見に照らし、米軍が合理的な措置を取ったと判断した」とお墨付きを与えた。
 日米地位協定の壁もあり、そもそも日本は事故機の捜査さえもできていない。派遣した自衛隊員も米軍が許す範囲での調査にとどまった。
 首相や閣僚が「県民に寄り添う」と繰り返す言葉とは裏腹に、政府の軸足は沖縄にはない。県民の生命と財産を守るために、怒りや恐怖、痛みを本気で共有しようとしていないことは明らかだ。
 米軍は昨年12月の名護市安部のオスプレイ墜落では6日後に、今年8月の豪州沖墜落では2日後に飛行を再開した。再発防止を求める政府の姿勢が見せかけだと見透かされているからだ。
 米軍のやりたい放題を止められない日本政府はもはや主権国家ではない。米国に唯々諾々と従うことはやめ、主体的に交渉すべきだ。

 続いて、防衛省が日本版海兵隊を米軍キャンプ・ハンセンに配備する方向で検討しているというニュース。

<社説>県内に日本版海兵隊 負担の固定化認めない - 琉球新報 - 沖縄の新聞、地域のニュース

 政府は、沖縄の基地負担軽減を真剣に目指してなどいない。そのことが改めて明らかになった。強く抗議する。

 防衛省自衛隊が来年3月に新設される陸上自衛隊の「水陸機動団」を、米軍キャンプ・ハンセンにも配備する方向で検討している。
 2020年代前半に在沖米海兵隊約8千人がグアムなど日本国外に移転する。移転後に、日本版海兵隊と称される水陸機動団が配備されれば、沖縄の負担軽減策の一つとされた海兵隊グアム移転の意味はなくなる。
 17年版防衛白書は「沖縄の負担軽減を目に見えるものとする」ために「沖縄に所在する兵力の削減とグアムへの移転」に取り組んでいると明記している。
 水陸機動団のハンセン配備は、目に見える負担軽減に明らかに逆行する。白書に従えば、海兵隊が移転した後、水陸機動団をハンセンに配備することはあり得ない。検討すること自体、許されない。
 水陸機動団は来年3月に約2100人で編成し、相浦駐屯地長崎県)に2個連隊が配備される。当初計画では約3千人、3個連隊を新設する予定で、残る1個連隊の配備先としてハンセンが検討されている。
 防衛省は現時点で、3個連隊目の新設を決定していない。新設しないことを早期に決めるか、沖縄には配備しないことを明言すべきだ。
 安倍晋三首相は今年6月の沖縄全戦没者追悼式で「政府として基地負担軽減のため、一つ一つ確実に結果を出していく決意だ」「これからも、できることは全て行う」と述べている。首相は自身の言葉に責任を持つべきだが、この間、その責任を放棄し続けている。
 米軍機の訓練を県外に移転しても、外来機が飛来して県内で訓練することが常態化している。その結果、爆音被害は一向に改善されていない。水陸機動団のハンセン配備は負担軽減どころか、基地負担の固定化につながる。
 米軍横田基地(東京都)に今後、配備される空軍仕様の垂直離着陸輸送機CV22オスプレイは沖縄で訓練する。日本政府は沖縄の反対を無視して、それを容認している。
 訓練の集中によって、沖縄の基地負担は確実に増している。水陸機動団の配備はそれに拍車を掛けることになる。容認できない。
 安倍政権は負担軽減に向けた取り組みをないがしろにし「負担加重」を「負担軽減」と言い換えている。県民が負担軽減を実感できるようにするのが政府の責務である。安倍政権はこれまでの姿勢を直ちに改めるべきだ。
 米軍基地が自衛隊基地に置き換わることは、沖縄の過重な基地負担が未来永劫(えいごう)続くことを意味する。水陸機動団のハンセン配備は、その第一歩になりかねない。沖縄はそのような状況を決して望まない。断じて拒否する。

  なんといふ卑劣な政権だ。沖縄に基地を押し付け、差別し、米軍の威を借って東アジアで偉そうにしてゐたいといふわけだ。それで国を守ると言ひ、日本の誇りを取り戻すと言ふ。狂ってゐる。

 安倍政権とその支持者達の自己欺瞞は日本をどんどん醜い国に変へてゆく。痛みは沖縄に押し付けられる。こんなことが許されていい道理はない。

 怒り続ける必要がある。